• "ひろしま観光立県推進基本計画"(/)
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  1. 広島県議会 2022-02-02
    令和4年2月定例会(第2日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和4年2月定例会(第2日) 本文 2022-02-17 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 28 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長中本隆志君) 選択 2 : ◯議長中本隆志君) 選択 3 : ◯議長中本隆志君) 選択 4 : ◯下森宏昭選択 5 : ◯議長中本隆志君) 選択 6 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 7 : ◯議長中本隆志君) 選択 8 : ◯副知事山田 仁君) 選択 9 : ◯議長中本隆志君) 選択 10 : ◯地域政策局長岡田芳和君) 選択 11 : ◯議長中本隆志君) 選択 12 : ◯議長中本隆志君) 選択 13 : ◯瀧本 実君 選択 14 : ◯議長中本隆志君) 選択 15 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 16 : ◯議長中本隆志君) 選択 17 : ◯副知事山田 仁君) 選択 18 : ◯議長中本隆志君) 選択 19 : ◯商工労働局長川口一成君) 選択 20 : ◯議長中本隆志君) 選択 21 : ◯健康福祉局長木下栄作君) 選択 22 : ◯議長中本隆志君) 選択 23 : ◯農林水産局長(佐伯安史君) 選択 24 : ◯議長中本隆志君) 選択 25 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 26 : ◯議長中本隆志君) 選択 27 : ◯警察本部長(森内 彰君) 選択 28 : ◯議長中本隆志君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長中本隆志君) 出席議員五十八名であります。これより会議を開きます。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 2: ◯議長中本隆志君) 書記に諸般の報告をさせます。         【書 記 朗 読】                                   令和4年2月16日  広島県議会議長 中 本 隆 志 殿                                   広島県人事委員会委員長 加 藤   誠            条例案に係る意見について   令和4年2月15日付けで,地方公務員法第5条第2項の規定により意見を求められた次の条例案については,適  当と考えます。   県第23号議案 職員の服務の宣誓に関する条例及び広島県公安委員会の委員の服務の宣誓に関する条例の一部を           改正する条例案中職員に関する部分              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第一号議案         至第五十五 報第六号 3: ◯議長中本隆志君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 令和四年度広島県一般会計予算から日程第五十五、報第六号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  これより各案に対する質問に入ります。通告者に順次発言を許します。下森宏昭君。         【下森宏昭君登壇】 4: ◯下森宏昭君 皆さん、おはようございます。自民議連の下森宏昭でございます。今次定例会におきまして、会派を代表しての質問の機会を与えていただき、中本議長をはじめ、小林副議長、先輩、同僚議員に心から感謝を申し上げます。
     また、新型コロナウイルス感染拡大防止に取り組まれ、御協力いただいている多くの県民の皆様方に、この場を借りて、心から感謝を申し上げます。  さて、令和元年七月の参議院議員選挙をめぐる大規模買収事件に関して、今般、東京第六検察審査会の決議が出ました。多くの同志が決断し、議会を去りました。悔しいやら、悲しいやら、涙が出る思いです。私自身、改めて気を引き締め、政治の信頼回復に精励してまいりたいと思います。  本日は、三次から三百人、バス五台で応援団が駆けつける予定でございましたが、中国自動車道が今、通行止めになっているということで、若干応援団が少ないのではありますが、元気を出して質問させていただきます。  早速ですが、質問に入ります。  質問の第一は、持続可能な社会の構築に向けた進化についてお伺いいたします。  今年こそ、新型コロナを乗り越える飛躍の年にしなければなりません。  ほんの数か月前、ワクチン接種が進み、第五波の収束とワクチンパスポートの整備などにより、社会経済活動の正常化が図られるものと安堵した方も多かったと思います。  しかしながら、それもつかの間、次々と進化、変化を遂げる新型コロナは、オミクロン株として感染力を高め、年明けから異常なスピードで感染が拡大し、コロナ禍の暗いトンネルの出口がまた遠のいたように思います。まさに生物の進化との闘いであり、今後の医療・医薬分野での解決策が待ち望まれるところであり、行政としては、感染を抑えながらも新型コロナで疲弊した経済と生活を取り戻すための力強い政策を打ち出していく必要があります。  知事は、新年度予算に関して、新型コロナウイルス感染症への対応と、社会経済の発展的回復、欲張りなライフスタイルの実現などを柱に政策を取りまとめたことを、定例会初日に説明されました。足元のコロナ対策や一昨年に策定した十年先を見据えた総合計画の政策を着実に進める方向性は、至極、的を射たものだと思うところであります。  しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大は我々の生活を大きく変え、十年先の未来を目の前に運んできました。そして、人々の価値観も変わってきたものと思います。  日本社会は今、新型コロナのほか、加速度的に進む人口減少問題、頻発化、激甚化する自然災害、格差社会の拡大、そして、社会システム全般の脱炭素化などの多くの困難に直面しています。  このコロナとの二年間の闘いや、コロナ禍が早めた十年を考えたとき、持続可能な社会の構築に向けては、これまでの延長ではなく、こうした待ったなしの課題に対して果敢に挑戦し、社会全体が進化していくことを求めているように思えてなりません。  安穏とした状況では進化は起こらず、こうしたときだからこそ、進化が起こるものとも言えます。長い地球の歴史では、酸素が不足したときにこそ、生物は生き抜こうと進化が起きています。酸素の不足した状況とは、経済、景気などが停滞している状況とも重なり、新たな広島を切り開くため、行政、企業、あらゆる主体が既存の考え方にとらわれない新機軸を打ち出していくことが求められていると考えております。かつての先人たちが幾多の試練を乗り越えてきたときと同様に、混迷を極める世界の中で、進むべき進路をじっくりと考え、実行していくほかないと思います。  令和四年度当初予算は、知事四期目最初の予算編成となります。様々な直面する課題の解決に向けて、行政はもちろん、社会全体が進化できるよう、県としてどのように環境を整えていこうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、新型コロナに伴う格差への対応についてお伺いいたします。  これまでにも多くの議員が指摘していますように、新型コロナの感染拡大に伴い、様々な課題が格差として顕在化しました。その中でも、格差の拡大を早急に食い止め、将来の日本に影を落とすことがないよう、特に注力すべき課題として、地域公共交通と経済対策について質問させていただきます。  まず、地域公共交通の持続可能性の確保についてお伺いいたします。  先月、JR西日本の社長が突然、不採算のローカル線の見直しに関し、一キロメートル当たりの一日平均乗客数で二千人以下を目安の一つとする考えを示しました。青天のへきれきとはまさにこのことであります。  現在、県、関係市町、JR西日本が芸備線の利用促進を検討している中で、この水を差すような発言は、暴言としか言いようがなく、ふんまんやる方ない気持ちでいっぱいであります。こうした考えに対して、我々は毅然とした姿勢を示していきたいと思いますので、知事も一緒に闘っていただきたいことをまずもってお願いします。  確かに、コロナ禍により急激に公共交通機関の経営状況は悪化しております。人口減少が進行する中にあって、業界では、まるで一気に十年間進んでしまったと評されています。中国運輸局内の交通事業者の令和三年十二月の運送収入は、二年前の同月比で、一般乗合バスで二割減となっているなど、未曽有の危機に陥っています。  こうした状況に対して、本県も国の交付金等を活用し財政支援をしてまいりましたが、このままコロナ後も需要が回復しない場合、県の財政力を鑑みると、近い将来、中山間地域を中心に公共交通崩壊を招くおそれがあり、ますます中山間地域と都市部の生活環境の格差が拡大することとなり、過疎化に拍車がかかります。  そうした中、広島県では、来年度、「広島県地域公共交通ビジョン」の策定に取り組まれることを表明されました。地域公共交通政策のマスタープランとして、行政、事業者、関係団体との垣根を越えた県全域の戦略となるものであり、その策定に大きな期待を寄せております。策定に当たっては、地域交通が地域の形成に影響を与える極めて重要なインフラであるという認識の下、地域交通が使いやすいまちの形成、公共交通で出かけてみたいと思える地域づくり、そして、ただの移動手段から魅力的な移動手段としての進化といった視点を持って取り組んでいただきたいと思うところであります。  そして、地域交通が、利用者だけでなく地域全体に便益をもたらすインフラであることの機運が醸成され、地域全体で地域交通を支え、そして、地域交通が出かけたいと思える地域をつくり、守り、育てる存在となることで、地域の持続可能性が確保されることを期待しております。  そこで、地域における県民の日常生活と経済活動を下支えし、適散・適集な地域づくりの実現に欠かすことができない地域交通の持続可能性の確保に向けて、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、地域経済や雇用情勢に対する認識と経済対策についてであります。  行政の大きな使命は、住民の生活を守ること、そして、人々の生活を成り立たせている基盤である経済活動を継続させることと思います。  この二年間、都道府県の各知事は、新型コロナとの闘いで、二つの両立、選択を迫られております。  そうした中、第六波のオミクロン株との闘いで、各都道府県で飲食店の営業時間の短縮等の取扱いに対して異なる判断がなされております。例えば、先月、本県がまん延防止等重点措置適用の延長となった際には、引き続き酒類の提供を一切行わないこととする一方、お隣の山口県と岡山県においては、第三者による認証店は酒類を提供できるものとされています。  その判断に対して色々と批評する方もおられますが、感染状況など地域の実情を踏まえた上でのものであり、一概に比較できるものではないと思います。  しかしながら、強い規制を判断した以上は、ウイズコロナを生き抜くためにゴールド認証を取った飲食店の努力に報い、元気を取り戻すことができるよう、酒類が提供できる基準を示すべきであり、特に、規制により生じる影響に見合った力強い経済対策を講じることが、その判断をしてきたリーダーの使命であるというのは疑いの余地がないものであります。  緊急事態宣言などの経済活動停滞に伴う減収や失業、廃業の影響は、配偶者や子供たちの家族の生活にも及びます。雇用の調整弁とも言われてきた非正規雇用労働者など、社会的に弱い立場の方はより苦境に立たされており、子供の貧困は拡大し、貧困の連鎖が将来の広島に必ず長く重くのしかかってきております。  一方で、少子高齢化に伴い、構造的な人手不足は解消されておらず、水際対策強化に基づく外国人の新規入国停止により一層の人手不足に陥っております。  コロナ禍は既に二年近くにわたっており、特に、資金力の弱い中小企業の状況は限界に達しております。中小企業は本県企業の大半を占め、地域経済の活性化と雇用の確保など、大きく貢献していただいており、いわば経済社会の土台とも言える存在であり、これが立ち行かなくなれば、経済全体にとっても取り返しのつかない事態に陥ります。  加えて、近年はコロナ禍だけではなく、自然災害による被害も多発するなど、中小企業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。  行政による支援策で企業の倒産は抑制されているようでありますが、コロナ禍明けに、資金力に窮して倒産が増え、失業者が増大するようなことを回避しなければなりません。  このため、中小企業は雇用の受皿としての存在感を示すことができるような、しっかりとした経済対策を講じるか否か、今が将来の分岐点であります。では、どういう経済対策を求めているのでしょうか。  日本語の経済の由来は中国の故事、世を経め、民を済うという意味で、経世済民であることは皆さんも御存じのとおりであります。経済の本来の意味は、苦しむ人の世を治め、環境を整えて、多くの民を救うことにあります。  コロナ危機からの回復局面では、企業の成長を促し、成長産業での雇用増を図りつつも、本県の経済を支える中小企業や、生活基盤を失った失業者などの支援が必要な方に手を差し伸べ、倒産や失業の増加の抑制、離職者の改善に向けた対策を強化することを基本的な施策として位置づける必要があると思います。  そこで、引き続くコロナ対策に伴い疲弊した地域経済や雇用情勢をどのように捉え、経世済民、格差解消の観点から、どのような理念を持って経済対策を講じていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  また、まん延防止等重点措置の期間が二十日に迫っておりますが、その後の対策をどのように考えているのでしょうか。  加えて、酒類の提供について、感染のピークアウトの見通しが立ち次第、早急に見直す必要があると思いますが、このことについても、併せて知事にお伺いいたします。  質問の第三は、中山間地域振興対策についてお伺いいたします。  昨年十一月末、令和二年の国勢調査の結果に基づき、広島県の人口が取りまとめられました。  県全体の人口は、五年前の前回調査と比べ、約四万四千人の減少とのことであります。  このことに関して、知事はさきの定例会において、ビジョンにおける最も人口減少が抑制された場合の試算よりも約八千人上回る結果となり、人口減少が一定程度緩和されたものと考えていると述べておられました。  しかしながら、中山間地域を代表する議員の一人としては、非常に危機感を感じております。なぜならば、県全体の減少率が一・六%に対し、全域が過疎地域の十市町に着目すると最も高い安芸太田町で一一・三%、最も低い三次市で五・五%、平均で約七・八%と広島県全体の減少率よりも六・二ポイントも高く、地域を維持できなくなる危機感が年々と高まっているからであります。  また、先月、総務省が二〇二一年の人口移動の状況を公表いたしました。広島県は、七千人余りの転出超過で全国最多となっており、全域過疎市町だけではなく、広島市を含む十七市町が転出超過の状況にあります。コロナ禍で、低密度な中山間地域の価値が見直されている今こそ、自然豊かで分散を生かした中山間地域の形成にもっと注力してほしいと思う次第であります。  さて、御存じのとおり、今年四月に、新たな過疎法が施行されました。理念として掲げた看板を自立促進から持続的発展に替え、従来の過疎法にはなかった人材の確保、育成や再生可能エネルギーの利用の促進などが盛り込まれ、さらに、過疎市町それぞれが策定する過疎計画において、人口に関する目標を掲げることとされたのが特徴であります。  総務省では、地域おこし協力隊の取組の強化など、人材確保への支援を充実させ、農林水産省では、産業政策に傾斜しがちだったことを見直し、地域政策、つまりは農村政策を農政の両輪として位置づけ、今後、施策展開することと聞いております。  また、新過疎法の制定を受けて、エネルギーの地産地消を推進するため、過疎地域での再生可能エネルギーの導入促進が掲げられる自治体もあります。  過疎地域の持続的発展に向けては、これまでの延長ではなく、新たな視点を取り入れながら取り組むことが重要だと思うところでありますが、本県はどうでしょうか。  人材育成に関しては、これまで、ひろしま里山・チーム五〇〇のメンバーの地域活性化に対する熱意を後押しする支援を常々お願いしてまいりました。このたび、元気さとやま応援プロジェクトとして、チーム五〇〇のメンバーが地域と協働する新たな取組に対する支援が打ち出されたことは、非常に高く評価いたしております。  地域の活性化が語られる際、地域住民は土の人、地域外の方は風の人に例えられます。ぜひ、継続した取組をし、風が運んできた種が土に根づいて、県が水の役割を担い、立派な花を咲かすことができるよう期待いたしております。  一方で、あくまでも例ではありますが、農林水産局も環境県民局も、新過疎法が制定されたことを踏まえた、これといった新たな施策は見当たりません。  全域過疎地域のほとんどが、人口の社会増減の均衡、または増加を目標として掲げる中、商工労働局の産業振興施策を含め、今後、過疎地域においてどのように展開されていくつもりでしょうか。  本県が目指す適散・適集な地域づくりに向けても、過疎地域の持続的発展の実現は欠かすことができないものであり、そのためには、英知を結集し、政策を推進していく必要があると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、広島県のDX推進戦略についてお伺いいたします。  知事は、DXの先進県を目指すとし、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」において、全ての施策を貫く視点の一つとして、DXの推進を位置づけ、デジタル技術の活用を、そして県内産業の生産性向上や競争力の強化、人口減少社会における課題を解消し、県民の暮らしをより便利で快適なものに変えていくことを目指して、様々な取組を進められておられます。しかしながら果たして今の施策で十分なのかはかりかねるというのが正直なところであります。  こうした観点から、去る十一月の決算特別委員会において、我が会派の恵飛須委員から、本県の目指す姿やその達成に向けたロードマップを示すべきであるとの提案がなされ、また、他の議員からも様々な場面で同様な意見がなされていると認識しております。  DXの実現に向けては、まず、プロセスをアナログからデジタルに置き換えるデジタル化、次にデジタル技術の活用による事業、サービスの高度化、拡張を図るデジタライゼーションがあります。本県が取り組んでいるスマート農業やオンライン診療などがこれに該当するのだと思います。そして、その先に、デジタル技術を活用して新しいビジネスモデルに転換するDXがあるわけでありますが、どれだけの方がDXをイメージできるのか疑問に感じております。  自治体、事業者、県民などのあらゆる主体が一丸となってDXを進めるためには、まずはDXとは何か、そして、DXによって本県が目指す姿はどのようなものなのかを羅針盤として示すことが求められているのではないでしょうか。  では、DXとは何か、私なりの解釈でありますが、ウーバーイーツや出前館などのフードデリバリーは身近な例だと思います。飲食店への注文が電話からスマホでのネット注文に置き換わったのがデジタル化であり、蓄積されたデータによる最適量の材料調達、顧客情報によるメニューの見直しがデジタライゼーション、そして、個々の店舗で対応していた配達がデジタル化を通じて、配達代行として新たなビジネスとして確立し、配達機能を持たない店舗でも出前が可能となったのがDXと言うとイメージしやすいかもしれません。このように、デジタル技術によって、従来の枠組みや分野の垣根を越えた異業種、異分野のサービスをつなげ、新たな価値を生み出すこと、これがDXの本質なのではないかと思います。  多様な価値観や複雑化する社会的課題に対応するには、従来のものの考え方や縦割り主義で捉えず、政策分野の垣根を越えて、人を中心に据えた政策を実現していかなくてはなりません。  もちろん、デジタル技術だけで、全ての問題を解決できるわけではありませんが、こうしたDXの本質は、これからの人を中心とした政策の実現に向けて不可欠なものと考えます。  知事は、さきの選挙において、一人一人を大事にすることを強調されていましたが、本県のDXを実現することこそが、その政治理念の実現につながるのではないかと考えます。  例えば、中山間地域の高齢者は医療、交通、買物などの様々な不便を抱えておりますが、これまで、行政は、それぞれの課題に対して分野ごとに個別にアプローチしてまいりました。しかし、DXの本質を捉えて、分野の垣根を越えて、そこに暮らす個々の人に着目したアプローチをすることにより、こうした課題も解消につながるのではないかと期待しているところであります。  本県では、これまで、サンドボックス、ドボックス、シードボックスなど、様々な分野でデジタル技術の活用に取り組まれており、今次定例会で関連事業として総額五十三億円もの予算案が提案されております。  しかしながら、本県がDXの取組を進めることによって、県民の暮らしや県内の産業がどのように変化していくのか、この先の姿が十分に県民に伝わっていないように感じております。  そこで、今後、さらなるDXを図るためには、本県の目指すDXの姿と、その実現に向けた道筋を具体的に描き、県民に示していくことが必要ではないかと考えますが、副知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、サッカースタジアム等の整備事業についてお伺いいたします。  広島市が事業主体となって行う、中央公園広場におけるサッカースタジアムと広場エリアの整備については、平成二十五年六月に検討協議会を設置して以来九年がたちました。その間、建設候補地の見直しなど紆余曲折ありながらも、サッカースタジアムは令和五年度、広場エリアは令和六年度の開業を目指して、手続が進められております。  これまでの間、我が会派では勉強会を重ね、このサッカースタジアムが国内で類を見ない町なかスタジアムとして、新たな広島県の魅力となり、また、県全体の活性化につながるような提案、意見を度々申し上げてきました。執行部におかれましては、これを真摯に受け止め、事業内容に反映されるよう努めてこられたことを私は高く評価しています。  広島市が事業主体であり、中央公園全体の再開発も広島市が主導で行っている中での市との交渉は、さぞかしエネルギーが必要だったと推察しております。  また、広島商工会議所を窓口とした、経済界の寄附金はコロナ禍で厳しい状況にあっても目標の十億円を超え、県内全域の企業から既に約十六億円もの申込みがあり、経済界から期待も非常に大きいと認識しております。  こうした中、このたび、県全体の活性化や中枢拠点性の向上への効果が期待される内容となったことなどを踏まえ、県の応分の負担として、約四十四億円を財政支援する予算案が提案されました。県と広島市の負担割合は一対一となっております。  我が会派では、この提案に対して様々な意見があります。主な論点は、マツダスタジアム建設の際には、県と広島市の負担割合が一対二であったにもかかわらず、なぜ、このたびは一対一なのか。つまりは、広域自治体である県の負担としての正当性があるのかということであります。  こうした背景の一つには、広島市一極集中に拍車がかかるという懸念があり、中枢拠点性の強化という言葉で思考停止することなく、地域政策局のみならず、県の政策にどう落とし込んでいくのかを明確にしていく必要があります。  また、東部連続立体交差事業の計画変更、乳幼児医療費の負担金の問題、最近では旧広島陸軍被服支廠の在り方、さらには、新型コロナ感染拡大によって緊急事態が続く中で、緊急性が決して高いとは言えないこのスタジアムの建設を、県の財政負担を前提に予算化し、進めるなど、広島市の思うように振り回されていると考えている議員も少なからずいます。  それに加え、叡智学園や高速五号線、二期トンネルなどの事業着手後の大幅な事業費増額という苦い経験もあり、リスク管理の在り方、責任の所在など、慎重な投資判断が求められていることを、知事はいま一度、重く受け止めていただきたいと思います。  昨年十一月に、前田委員長率いる総務委員会で、東北楽天ゴールデンイーグルスとJ1ヴィッセル神戸を所有し、スタジアムを運営している楽天球団に視察に行っておられます。視察議員の報告では、野球とサッカーでは公式試合数が大幅に違うことに加え、観客の観戦、消費行動も大きく異なり、野球に比べて、サッカースタジアムの運営は厳しく、コロナ禍で人のスタジアム離れがあり、そういった状況の中で、常にトライ・アンド・エラーで新たな取組に挑戦しているとのことでありました。  決して楽観視できないスタジアムの運営の厳しさを伺ったわけでありますが、建設するサッカースタジアム等の計画では、スタジアム運営では単年度一億円の黒字、広場エリアでは年間二百万人、そのうちの約半数は広島市以外からの集客が見込まれています。  広島市は二百八十万人の県民の税金が投入されることを重く受け止めた上で、適切な施設運営を図る必要があり、事業計画の甘さにより、計画が下方修正され、ましては、県民負担が増すことは許されないと思うのであります。  そこで、こうした懸念される点などを踏まえ、適散・適集な地域づくりなどの県の政策におけるこの事業の位置づけと政策効果の獲得に向けた戦略をお伺いいたします。  また、広域行政としての役割と責任の中で負担割合の考え方、事業目標を確保するための仕組みについて、併せて知事にお伺いいたします。  質問の最後は、二期トンネル整備事業についてお伺いします。非常に遺憾であることを申し上げた上、お伺いいたします。  この事業については、平成十八年の戸坂系六号トンネルの崩落事故を踏まえ、災害、事故等に強い、呉・江田島市方面への送水体制を構築するという、ライフラインの強靱化に資する重要な事業と認識しております。  このため、平成二十八年二月定例会において、令和四年三月、つまりこの春には完成することを目指す、事業費の予算を議決してまいりました。  しかしながら、今から二年前、令和二年度当初予算の編成において、当初の想定よりも硬い岩盤が出現したことに対応するため、約三十八億円を増額し、工事完了時期が計画より一年遅れるとの説明がありました。  当時は、折しも、背景は異なるにしろ、広島高速五号線の増額問題で議会は紛糾している最中でありました。  また、近年、議決を経て事業が進行した後に、事業費を増額する事例が散見され、事業完了の延期が与える社会的な影響と時間を盾にして、我々があらがえない状況をつくりだすような、議会の機能、権能が阻害される憂慮すべき状態でありました。  このことから、二年前の二期トンネルの工期延長、増額の提案については、我々は、頻発化する災害の状況を踏まえ、関係市町の住民や事業者への影響はもちろんのこと、県の事業リスクの見通しの甘さを追及するなど、厳しい姿勢を示したところであります。  執行部のトンネルは掘ってみないと分かりませんと、反省の色もないと感じ取れる態度に、執行部にたるみが出ていると厳しく指摘する議員の声が今も耳に残っております。  当時、我が会派は議論を重ね、今後、県民の信頼を失うことがないよう、ボーリング調査の追加実施などによる最大限のリスクマネジメントの徹底を要請し、執行部においては真摯に対応することを約束していただいたものと受け止めておりました。  しかしながら、今般再び、完成がさらに三年遅れ、事業費は約四十三億円も増額するという予算案が提出されております。当初計画と比べ、工事期間も事業費もおよそ一・七倍に膨らむ事態に、正直、あきれて物が言えません。  このたびの工期延長、増額の理由は、見立てより浅い層で岩盤が出現したことによるということでありますが、二年前の我が会派が指摘した追加のボーリング調査は一切することなく、掘削実績のみで判断した結果と伺っております。  確かに、ボーリング調査には相当の時間と費用が必要ということは分かってはおり、追加調査を実施するかどうかの経営判断はあると思いますが、その判断の中に、もし工期の再延長があった場合の県民、事業者への影響や、信頼を失うことのリスクは考えてあったのでしょうか。  このたびの工期延長に関係市町の方々は落胆し、増額に伴い水道料金等が値上がりするのではないかと不安を抱えているものと思います。  また、事業進捗の遅延に係る報告は、前回の計画変更から一年以上経過した今年度六月で、しかも、我々が指摘した追加のボーリング調査は実施せず、最大限のリスクを考慮していなかったことが遅延の要因であるとのことであります。  ボーリング調査の実施判断は、知事の執行権の範疇だと思いますが、二年前、我々が、リスクマネジメントの徹底を厳しく指摘、要請したことを踏まえ、一旦立ち止まり、ボーリング調査の要否について、真摯に検討がなされるべきであり、さらに、見立てより浅い層で岩盤が出現した際には一旦立ち止まり、我々に対して、適時適切に説明してしかるべきであり、執行部として誠実さに欠けた対応であると指摘されても仕方がないと思うのであります。  我々も、県民による直接選挙を通じてこの場に立っており、負託に応える責任があります。
     そして、その責任を果たすためには、執行部の信義誠実の原則にのっとった対応、対話が大前提であります。  このため、我が会派は、執行部を招聘し議論を重ねるとともに、先月末には二期トンネル工事現場を視察し、我々自身の目と耳で確認してまいりましたが、このような事態が続くことは、議会を追認機関と軽んじ、緊張感の欠如、組織の惰性と強く非難されても抗弁の余地はないものと思います。  そこで、今回の工期延長と増額の理由、増額に伴う県の財政運営をはじめ、県営水道事業の経営及び受水市町の水道料金への影響、増額後の費用対効果についてお伺いいたします。  また、議会への対応の在り方と二元代表制に対する知事の認識についても併せてお伺いいたします。  以上で私の質問は終わります。最後まで御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 6: ◯知事湯崎英彦君) まず、持続可能な社会の構築に向けた進化についてお答え申し上げます。  令和二年十月に策定いたしました「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」では、加速度的に進む人口減少や頻発する大規模災害、新興感染症の発生など、先行きが不透明な時代にあって、三十年後の広島県を構想した上で、県民一人一人が安心と誇りを持ち挑戦できる社会を十年後の目指す姿としてお示ししたところであり、持続可能な社会の構築に向けては、この目指す姿の実現に向けた取組を推進することが重要であると考えております。  私の四期目のスタートとなる令和四年度の当初予算におきましては、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症への対応や、アフターコロナを見据えた社会経済の発展的な回復のほか、新型コロナなどで顕在化した構造的課題に対する対応に注力するとともに、ひろしまビジョンで掲げているそれぞれの欲張りなライフスタイルを実現していくための施策を着実に推進していくことを基本に編成いたしました。  アフターコロナを見据えた発展的回復に向け、様々な直面する課題の解決を図る具体的な取組といたしましては、地域社会や県民生活の修復と発展のため、コロナ禍で様々な困難を抱える方への支援や、外出自粛等により希薄化が懸念されているコミュニティーの再生などを目指す地域共生社会の実現に向けた仕組みづくり、また、経済の発展的回復に向けた取組として、新たなビジネスモデルを構築するための企業の新事業展開に向けた伴走型支援、強靱でしなやかな産業構造を実現するため、多彩な観光プロダクトの構築や、デジタル化やカーボンニュートラルなど環境変化に対応する研究開発を行う県内ものづくり企業への支援などに取り組んでまいります。  また、新型コロナなどにより顕在化した構造的な課題への対応として、新型コロナによって、東京一極集中が招く弊害がより一層顕在化したところであり、この是正のための適散・適集社会の実現に向けては、サテライトオフィスなど中山間地域における新しいワークスタイルの定着、ひろしまサンドボックスの取組による新しい技術やビジネスモデルの創出に向けたチャレンジができる環境の整備、デジタル系企業や本社、研究開発機能などの誘致の取組などを推進してまいります。  さらに、コロナ禍におきまして、デジタル技術の有効性が明確となった一方で、その活用が十分に進んでいないことから、様々な分野において、デジタル技術を積極的に活用した取組を推進するなど、これまで以上に県民生活の利便性、生産性の向上を図るとともに、デジタル化を支える人材育成のため、いわゆるリスキリングを産業界全体で推進していくための取組を行ってまいります。  加えて、激甚化、頻発化する気象災害の被害を食い止めるため、県民一人一人が災害から命を守る適切な行動を促進するためのマイ・タイムラインの普及に向けた取組を強化するとともに、砂防・治山ダム等の整備など、ハード・ソフト両面から県土強靱化を着実に推進してまいります。  また、欲張りなライフスタイルの実現のための取組におきましても、脱炭素社会、いわゆるネット・ゼロカーボン社会の実現に向け、「広島県地球温暖化防止地域計画」を改定し、温室効果ガスの削減の取組を深化させるとともに、その推進を担う広島県地球環境対策推進会議などの体制を強化し、再生可能エネルギーの導入促進、カーボンリサイクルの推進、森林吸収源対策や住宅等の省エネルギー対策など様々な取組を加速させ、持続可能な社会の構築に向けた取組を推進してまいります。  こうした取組を着実に推進し、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」が掲げる十年後に目指す姿を実現することが、コロナ禍によって傷ついた地域社会や県民生活の回復、様々な構造的な課題の解消につながり、ひいては、県民の皆様お一人お一人が、広島県の将来と暮らしに対して安心と誇りを持ち、夢や希望に挑戦できる社会を描くことができるものと確信しており、私自身、先頭に立って、全力で取り組んでまいります。  次に、地域経済や雇用情勢に対する認識と経済対策についてでございます。  本県経済の状況につきましては、昨年秋以降、持ち直しの動きが続いておりますが、飲食業や宿泊業などにつきましては、外出自粛や飲食店に対する休業・営業時間短縮の要請など、これまでの度重なる感染防止対策により、厳しい状況であると認識しております。  また、県内の雇用情勢につきましては、令和二年に、一時大幅に減少した求人数や急増した求職者数は、その後回復傾向にあるものの、依然としてコロナ前の水準には戻っておらず、労働力調査によりますと、全国の産業別就業者数は、外出自粛等の影響を強く受けている宿泊業、飲食サービス業などにおいて、大幅に減少しており、今後の雇用労働情勢に注視していく必要があるものと考えております。  本県といたしましては、これまで、新型コロナの感染拡大の影響を受けている事業者に対し、実質無利子・無担保の融資制度による迅速な資金繰り支援や、全国に先駆けて早期給付制度を創設した飲食店等に対する協力支援金、全国トップクラスの充実した支援を行う頑張る中小事業者月次支援金、雇用調整助成金の活用促進対策などに取り組むとともに、離職者に対する就職支援として、合同企業面接会の開催や、働きたい人全力応援ステーションにおける伴走型の個別マッチング支援など、事業継続と雇用維持を支えていく様々な取組を実施してきたところでございます。  また、特に大きな影響を受けている飲食や宿泊事業者等観光関連事業者については、しっかりと下支えする必要があるため、全国的に今後感染状況が低い状況となった場合には、宿泊事業者や旅行業者等を支援するための観光誘客促進事業や、飲食事業者等を支援するためのGoToイートキャンペーンなどに取り組むこととし、その態勢を整えているところでございます。  加えて、厳しい環境下から立ち上がろうとする県内事業者の挑戦を後押しするための対策を行っていく必要があることから、企業のAI、IoT、ロボットの導入など生産性向上に向けた設備投資の後押しや、カーボンニュートラルに取り組もうとする県内企業の伴走型支援など、アフターコロナを見据えた取組を行う企業への支援を行っているところでございます。  さらに、今後につきましては、新型コロナなどにより顕在化した構造的な課題であるデジタル化への対応や適散・適集社会の実現を図っていくため、最新のデジタル技術を活用した実証実験の場であるひろしまサンドボックスをさらに一段と進め、これまでに開発・実証された、商品やサービスについて、県内への実装を支援する取組のほか、デジタル化を支える人材の育成等を支援するため、新たなスキル等を習得する、いわゆるリスキリングを産業界全体で推進する取組や、本県から世界に羽ばたき大きく成長することを志す、ユニコーンと呼ばれるような、有望なスタートアップ企業を対象にした成長支援などについて、来年度から新たに取り組むこととしたところでございます。  今後とも、新型コロナの感染拡大の影響を受けた地域経済の活性化と雇用情勢の改善につながる取組をしっかりと進めるとともに、アフターコロナを見据えた社会と経済の発展的回復に向けて、全力で取り組んでまいります。  次に、現在、取り組んでおります、まん延防止等重点措置による早く強い対策と、県民や事業者の皆様の行動により、他県に比べ、比較的低い波で抑えることができております。  一方、感染状況は減少傾向にございますが、現状においては、直近一週間の人口十万人当たりの新規報告者数は、二百人を超える高い水準にあり、患者の急激な増加に対応した現在の病床数でも、使用率は五〇%を上回っております。  一般医療との両立可能なレベルの確保病床数を基準として、使用率が安定的に五〇%を下回り、医療が逼迫しないレベルまで感染を抑え込む必要があると考えており、本日、国にまん延防止等重点措置の再延長を要請いたしました。また、対象エリアにつきましては、全県的にいまだ高い水準にあることから、引き続き、県内全域とする予定でございます。  一方で、現在、感染状況は減少傾向を継続しており、今後、感染の大きな再拡大がなければ一般医療との両立可能なレベルまで感染状況が改善することが見通せることから、経済や日常生活を段階的に回復させていくため、集中対策の内容について見直すことを考えております。  具体的には、まず、県民や事業者の皆様に対する外出や出勤に関する要請を緩和し、外出につきましては、できるだけ削減するとともに、二十一時以降はさらに削減、出勤者につきましては削減するとともに、二十一時以降の勤務を削減することなどを要請したいと考えております。  次に、飲食店の皆様に対しましては、これまで、二十時までの酒類の提供なしでの営業時間の短縮としておりましたが、広島積極ガード店ゴールド認証店につきましては、酒類提供を二十時まで、営業終了を二十一時までとする形態での営業も可能としたいと考えております。  厳しい状況が続いておりますが、県民の皆様と共にこの難局を乗り越え、早期の社会経済活動の回復を目指し、全力を尽くしてまいります。  次に、中山間地域振興対策についてでございます。  人口減少や高齢化が著しい中山間地域におきましては、医療、生活・福祉、産業・雇用、教育など、幅広い分野にわたる実効性のある施策を相互に連関させ、相乗効果を生み出す総合対策として、推進していくことが重要でございます。  このため、新たな過疎対策法の制定を受けまして、昨年八月に、過疎地域の持続的発展を図る対策の大綱として、「過疎地域持続的発展方針」を策定し地域の資源や特性を強みとして再認識して生かすこと、人口急減に伴う様々な課題を克服できる可能性を秘めているデジタル技術の実装などを取組の方向として定め、「中山間地域振興計画」に掲げる、人づくり、仕事づくり、生活環境づくりの三つの柱に沿って、積極的に取組を推進しているところでございます。  具体的には、活性化の原動力となる人づくりにつきましては、これまでの取組により、現在、四百五十人近くの方が登録されているひろしま里山・チーム五〇〇の方々のエネルギーを生かし、来年度は新たに、中山間地域に暮らす人々が、地域の元気さを実感できる環境の創出に向けて、チーム五〇〇の登録者が地域の方々と協働して行うコミュニティー支援活動や仕事づくりを通じた地域との新たなつながりを生み出す活動などを支援することといたしました。  次に、生活の糧を得るための仕事づくりにつきましては、中山間地域の基幹産業である農林水産業において、所得や雇用を生み出すよう、スマート農林水産業の実装等による生産性の向上、また経営力の強化、県産農林水産物のブランド化、高付加価値化、県産材の安定的・効率的な供給体制の構築、水産資源の回復に向けた漁場環境の整備などを進め、生産性の高い持続可能な農林水産業の確立を目指して、取り組んでまいります。  また、これまでの企業立地助成制度の雇用要件の緩和に加え、今年度からは、新たにデジタル系企業の誘致についても、雇用要件の緩和や助成率のかさ上げを行うなど中山間地域への投資を促進するための積極的な営業活動を行っております。  さらに、安心な暮らしを支える生活環境づくりにつきましては、地域医療や公共交通などの幅広い分野において、デジタル技術を積極的に活用し、地域における生活サービスの効率化、高度化を図ってまいります。  また、再生可能エネルギーの導入促進につきましては、全国で百か所の創出を目指している脱炭素先行地域づくりに向けた市町との連携や、太陽光、小水力等の再生可能エネルギー導入に向けた可能性調査、地域の再エネポテンシャルを有効活用した自家消費型の太陽光発電の導入支援など地域の特色を生かした取組を推進し、中山間地域におけるエネルギーの地産地消に取り組んでまいります。  今後とも、こうした取組を全庁一丸となって進めていくとともに、県民、市町、県が密接な連携の下で、総力を結集して推し進め、地域を取り巻く環境変化に対応した新たな観点からの施策を検討するなど、政策の進化を絶えず図っていくことによって、心豊かに、笑顔で幸せな生活を営むことのできる中山間地域の実現に向け、全力で取り組んでまいります。  次に、サッカースタジアム等整備事業についてでございます。  人口減少や東京圏への一極集中が進む中、本県が持続的な発展を成し遂げるためには、にぎわいを生み出す人の集まりや、イノベーションを創出するための多様な集積が必要であり、そのためには、人口、産業、都市基盤など、あらゆる面で中国・四国地方最大の集積地である広島市が、高次都市機能を保有し、中枢拠点性を一層向上させていくこと、さらに、その集積と拠点性の効果を県内全域に幅広く波及させることを戦略的に進めていくことが極めて重要であると考えております。  こうした観点から、サッカースタジアムと広場エリアの整備に当たりましては、県内全域はもとより広域から集客が期待でき、県全体の活性化や中枢拠点性の向上につながる施設とすべきとの認識の下、県議会の御意見も踏まえた上で、広島市に対して、県の考え方を事業内容に反映するよう、様々な場面で求めてまいりました。  これまでに、事業者選定が終わり、本事業の全体像が示されたところでございますが、県内外から三百十万人との集客目標が掲げられ、年間を通じて、中四国全域をはじめ、広域から、幅広い世代を集客し、県内各地を訪れるきっかけとなる魅力発信が期待できることなど、県の意見を踏まえた事業内容になったと認識しております。  本事業の政策効果を実現するため、まず、町なかスタジアムである好立地を最大限生かし、周辺の施設と一体となってかつ、紙屋町・八丁堀エリアとも相乗効果を発揮させつつ、都心の回遊性を向上させ、県内はもとより県外からも幅広い集客を図っていくこと、併せて、観光資源や県産品など、県内二十三市町の魅力をアピールする仕掛けを用意し、県産品の魅力の発信や、県内各地への誘客の促進を図るなど、県全体に効果を波及させていくこと、こうした取組を全庁を挙げて、しっかりと進めてまいります。  県の費用負担につきましては、事業内容が、県の意見を踏まえたものとなっており、広島市と連携して取り組むことで、中枢拠点性の向上や本県全体の活性化が期待できることに加えて、県、市、経済界など関係者で検討を進めてきた経緯や、経済界の寄附金が当初想定を大幅に上回るとともに、個人寄附についても、県内外から広く集まり、目標額を上回る状況にあるなど、県内全体で整備に向けた期待と機運が高まっていることなどを総合的に勘案し、判断したところでございます。  事業目標を確保するための仕組みといたしましては、事業者からも、デジタル技術を活用して、人流データを把握分析し、集客につなげる施設運営の改善に役立てるなど、PDCAを回していく取組の提案があったほか、中央公園全体の魅力向上に向けて、今後、マネジメントを担う協議体も設置される予定となっております。  県といたしましても、こうした動きにしっかりと関与し、県民の皆様が誇れるスタジアムパークの実現に向けて、引き続き、広島市と連携して取り組んでまいります。  次に、二期トンネル整備事業についてでございます。  二期トンネルは、呉、江田島方面への災害や事故に強い水の供給体制を構築する上で、大変重要な施設であり、このような施設の整備に当たり、平成二十八年度の当初計画策定時及び令和二年度の計画変更時の二度にわたり、適正な工期及び工事費を見通すことができず、工期の延長と工事費の増額をしなければならないことにつきましては、大変重く受け止めております。  まず、このたびの工期の延長と工事費の増額の要因といたしましては、令和二年度の計画変更時において、当初計画策定時のボーリング調査の結果に、それまでの掘削の実績を加えることで、残りの区間の地質を把握できると判断し、追加のボーリング調査を行わずに、地質を想定したところ、想定よりも浅い地層で非常に硬い岩盤が出現したことによるものでございます。  県といたしましては、計画策定時あるいは計画変更時に地質を把握する調査が不足していたこと、また、工事を進める上で想定されるリスクの検証が十分でなかったことについて、改めて、強く反省しているところでございます。  このため、今回の計画の変更に当たりましては、改めて、追加のボーリング調査を実施するとともに、今後の変更要因となり得るリスクの洗い出しを行った上で、事業見通しについて整理したものでございます。  また、今後は、トンネル工事のような地質の影響を大きく受ける水道施設の工事につきましては、基本設計時にしっかりと調査方法や調査箇所を検討し、それに基づき調査を行い、地質の判定精度を高めた上で、詳細設計を実施してまいります。  さらに、基本設計から工事着手までの、それぞれの段階におきまして、技術的知見を有する学識経験者に、多様な視点から、御意見を伺い、妥当性を評価いただくことで、事業計画の精度を高めてまいりたいと考えております。  次に、このたびの事業費の増額が及ぼす影響についてでございます。  二期トンネルは、水道用水供給事業として実施しており、この水道用水供給事業につきましては、昭和六十一年度以降、単年度損益の黒字を確保しており、安定的な経営状況にあることから、このたびの工事費の増額により、直ちに料金の値上げを必要とする影響はないと考えておりますが、今後、施設の最適化や適切な維持管理に努めるなど、水道施設全体のライフサイクルコストの縮減を図っていくことで、水道用水事業の経営への影響を最小限にとどめるとともに、県財政へ影響を及ぼさないよう事業を運営してまいります。  次に、二期トンネルの費用対効果につきましては、トンネルの整備により、送水トンネルの二重化が図られることから断水リスクが軽減されるため、断水被害額を便益といたしますと、費用対効果は一・六五ポイントと、増額後の費用を上回る便益があり、整備効果はあるものと考えております。  次に、議会への対応の在り方と二元代表制に対する認識についてでございます。  二元代表制を担う議会と知事は、共に県民の負託を受け、対等な立場に立って、県勢発展の実現に向けて責務を果たすものであると認識しております。  この二元代表制の下、議会は、地方公共団体の意思を決定する機関及び執行機関を監視する機関であり、事業の予算については、慎重に御審議いただき、適切な御議決をいただくため、事業の規模や必要性、全体事業費を踏まえた事業の妥当性について、丁寧に説明する必要があるものと考えております。  また、今後は、事業を進めていく過程において、事業計画の変更が必要となるような場合は、議会に対し、速やかに状況報告を行い、事業費の精査を適切に行った上で、その妥当性について、説明を行っていくことを、改めて徹底してまいります。  引き続き、議会に対して、丁寧な説明を尽くし、御意見を伺いながら、事業の透明性を高め、適切な事業の実施に努めてまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 7: ◯議長中本隆志君) 副知事山田 仁君。         【副知事山田 仁君登壇】 8: ◯副知事山田 仁君) 広島県のDX推進戦略についてお答えいたします。  デジタル技術を使うことで、これまでに比べ、生産性や効率性の向上が図られ、より便利で快適な生活を送れるようになることは言うまでもないことと考えますけれども、将来、実際に、どのような技術が生まれ、どのように技術が使われていくのか、DX──デジタルトランスフォーメーションの進展によって起こる社会や経済活動の変化を予測することは困難であり、誰もが模索しながら取り組んでいるところでございます。  そうした中、本県では、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」において、まずは十年先の未来を見据えて、それぞれの政策分野での目指す姿を掲げ、ビジョンに基づくアクションプランや分野別計画等を策定し、それらに沿って、様々なDXの取組を進めてまいりました。  具体的には、広島デジフラ構想に基づき、道路や河川などのインフラに関する情報を一元化、オープン化し、官民データ連携も可能とする基盤を整備して、効果的、効率的なインフラマネジメントの実現や、防災・減災につなげていく取組、また、狭小、傾斜地の多い中山間地域に対応した、ひろしま型スマート農業を推進し、本県の農業の生産性向上を図っていく取組、あるいは、光ファイバー網等の情報通信基盤の未整備地域を解消し、県内どこに住んでいても、必要なデジタル技術を活用したサービスを受けられる環境の整備などを、市町や事業者とも連携して行ってまいりました。  しかしながら、こうした取組によって、暮らしや産業、地域がどのようによくなっていくのか、そこに向けて、現在がどの段階にあるのかといったことが、県民の皆様に十分にはお伝えできておらず、今後は、より県民の視点に立って、具体的に分かりやすく示していく必要があると認識しております。  そのため、まずは、これまでのDXの取組の成果と課題を総括し、分野横断的な視点も持ちながら、今後、必要となる施策の立案につなげていくとともに、本県がDXの推進によって、当面の目指す姿とその実現に向けた具体的な目標やアクション、ロードマップ等を明確にお示しするプラン、仮称ではございますが、「広島県DX加速プラン」を令和四年九月頃までに策定してまいりたいと考えております。  プランには、仕事・暮らし、地域社会、行政の各分野でのDXに加え、人材の確保・育成やデータ利活用の推進など、DXを進める上で基盤となる取組を盛り込み、それぞれに目標や成果指標を設定し、本県のDXの進捗を見える化して取り組んでまいりたいと考えております。  このプランを羅針盤としつつ、今後も急速に発展する技術や新しい発想から生み出されるサービスに柔軟に対応しながら、本県のDXの加速を図ってまいります。 9: ◯議長中本隆志君) 地域政策局長岡田芳和君。         【地域政策局長岡田芳和君登壇】 10: ◯地域政策局長岡田芳和君) 地域公共交通の持続性の確保についてお答えいたします。  地域公共交通を取り巻く状況につきましては、人口減少やモータリゼーションの進展に伴う利用者の減少により、交通事業者の多くが慢性的な赤字を抱え、路線や航路が一部縮小するなど特に中山間地域で課題が顕在化しており、コロナ禍の影響によって、厳しさを増していると認識しております。  これまで、本県では、コロナ禍に対する緊急対策として交通事業者の事業継続に向けた支援などを行ってまいりましたが、今後、コロナが一定の収束を見た後におきましても、新しい生活様式の定着などにより、コロナ前の水準ほど利用者が回復しないことも想定され、地域公共交通の持続可能性について、一層の懸念が生じております。  こうした構造的な課題に対応していくためには、交通事業者、利用者、行政といった関係者が中長期的な視点を持って、公共交通の目指す姿とその実現に向けた方向性を広く共有し、一体的に取り組むことが不可欠であり、今般、「広島県地域公共交通ビジョン」を策定することといたしました。  策定に当たりましては、学識者、交通事業者、社会福祉協議会やPTAなど利用される立場の方々、市町などが参画する協議会やワーキンググループにおきまして、現状分析に加え、将来予測にも基づき、丁寧に議論を行い、自動運転やMaaSなど、新技術の進展も取り込みながら、持続可能性の高い生活交通を実現する方策を検討してまいります。  県といたしましては、この公共交通ビジョンの策定とそれに基づく施策の実施を通して、将来にわたって、日常生活で必要な移動手段が確保され、安心して暮らすことができるよう、取り組んでまいります。 11: ◯議長中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時四十四分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 12: ◯議長中本隆志君) 出席議員五十九名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。瀧本 実君。         【瀧本 実君登壇】 13: ◯瀧本 実君 皆さん、こんにちは。広島県議会民主県政会、広島市佐伯区選出の瀧本 実です。今次定例会におきまして、議員として初めてとなります代表質問の機会を与えていただき、議長をはじめ、先輩、同僚の議員の皆様に心から感謝を申し上げます。  新年が明けて早々に新型コロナウイルスの第六波に見舞われ、本県でも先月だけで二万七千人を超える感染者が確認されるなど大変な状況にありますが、これまで医療や県民生活を支えるため、最前線で職務に精励いただいている方々に対しまして、この場を借りて敬意と感謝を申し上げます。  午前中の本会議で、まん延防止等重点措置の期間延長の方針が示されました。現在の本県の感染状況を踏まえると、適切な判断だと理解しております。その中で、引き続き感染防止対策を図りながら、徐々に経済活動も両立していく観点から、これまで、飲食店に求めてきた酒類提供制限の内容を見直すとのことでございます。この対策期間中、厳しい経営環境の下、協力してくださっている事業者の方々から、我が会派にも様々な意見や要望を頂いており、このたびの見直しについて評価する次第であります。一方で、感染拡大への懸念は今後も予断を許さないため、感染防止と医療体制の確保に努めながら、引き続き、感染対策全般に全力で取り組んでいただくことを重ねて要請いたします。  さて、四期目がスタートしました湯崎知事の初となる新年度当初予算が編成されましたが、本県の未来を支えるための希望ある施策となっているのか、様々な角度から質問させていただきますので、知事をはじめ執行部の皆様の明快な答弁を期待いたしまして、早速質問に入らせていただきます。  質問の最初は、新型コロナ対策における施策マネジメントについてです。  昨年十二月の子育て世帯への臨時特別給付金や事業者向け事業復活支援金などを盛り込んだ国の補正予算は、過去最大規模となりました。そして、それに続く国の来年度の一般会計予算案では四年連続で百兆円を超え、過去最大を更新しました。来年度から本格的に団塊の世代が後期高齢者となり始めるなど、社会保障費の増大も避けられない中での巨額の予算化が続いています。  本県でも、今年度の二月補正までのコロナ対策事業費は、累計で四千三百億円に上り、新年度当初予算も新型コロナ対策などで四年連続して一兆円を超え、過去最大を更新しております。  コロナ対策の予算の財源は、そのほとんどが国からの交付金等が充てられているとのことですが、実際は国が国債を発行し、賄われているものであります。すなわち、国民の借金であり、さらに言えば、将来世代の借金です。  そうした認識を幅広く共有し、年度内に廃棄される予定のマスク問題に象徴されるように、緊急時であっても本当にニーズに見合った政策になっているのか、最小費用で最大効果が期待できるのかをしっかりと見極め、PDCAを回しつつ、既存事業の軌道修正や新たな施策を打ち出して、政策効果を高めていく努力が、国にも地方にも求められるものと考えます。  どうしてこういう視点からの質問をするかと言いますと、先日、十代、二十代の若者と話をする機会があり、今回の子育て世帯対象の臨時特別給付金に話が及びました。そのときの彼らの口から出た疑問は、もらえるものならもらいたいが、でも、自分たちが将来、利息分と合わせて税金として納付しないといけないお金なのなら、本当に今必要とされているお金なのかというものでありました。  先日の我が会派の県当局への要望においても、コロナ禍で大きな影響を受けている中小事業者への様々な支援等に関して、それぞれの施策を単発で終えるのではなく、県としてウイズ・アフターコロナを見据えた、目指す姿に導く施策となるよう強く要望したところであります。
     そこで、コロナ禍のこの二年間をいま一度振り返った上で、これまで投じてきたもろもろの対策が、果たして県民の生活や県経済の十分な支えとなり、先を見据えた成長・発展の礎となっているのか評価した上で、今後の施策の方向性を見定めていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いします。  次に、現状の雇用情勢を踏まえた効果的な施策展開についてであります。  新型コロナの長期化は、非正規雇用の不安定化を招き、観光やイベント業などの業界は、経営者も雇用者も感染の波に大きくさらされました。  厚労省の発表によりますと、新型コロナを理由に解雇や雇い止めになった方は、全国で十二万人、本県では四千人を超えております。ただ、この数字もハローワークが把握できた数を基にしているため、実際はもっと多いとの指摘もされています。また、子育て家庭の女性や独り親の家庭などからは、働きたくても採用してもらえないとの悲痛な声も聞いています。実際、総務省の発表によれば、昨年の就業者は、前年から九万人減少し、減少幅は宿泊・飲食サービス業が二十二万人減となったほか、非正規雇用の方は二十六万人も減少したとのことであります。  そこでまず、こうした本県を取り巻く雇用情勢について、県としてどう捉えているのか、知事にお伺いいたします。  また、国の雇用調整助成金等により失業率が二・八%と、リーマンショック時の五%台よりも抑えられてはいますが、雇用保険財政は財源が枯渇するなど危機的水準であり、コロナ禍の今の雇用情勢には、大地震が起こる直前のような、大きなひずみがたまっているのではないかと懸念しております。  例えば、二〇一九年には長年放置されてきた就職氷河期世代への総合対策が打ち出されましたが、果たしてコロナ禍において、こうした施策は順調に効果を上げてきているのでしょうか。また、昨年九月には、約六十年間ともり続けてきた日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の高炉の火が消えました。関連企業で働く方も含め、大規模離職に対応したこれまでの雇用対策は、どこまで功を奏しているのでしょうか。さらに、福祉の窓口へ出向き、生活支援を求める多くの困窮世帯の就労ニーズに、どこまで応えられているのでしょうか。  コロナ禍でさらなる格差拡大が懸念される中、こうした職を求める方一人一人の置かれた環境を十分踏まえ、県としてもハローワークや民間就職会社のみならず、福祉の支援機関などとも相互かつ密接に連携しながら、丁寧に対応していくことが求められると思います。  そこで、本県でも感染の第六波としてオミクロン株が蔓延し、新型コロナの長期化がもたらす悪影響が懸念される中、国や市町、関係機関と協調し、今後どう取り組んでいくつもりか、知事にお伺いいたします。  質問の第三は、アフターコロナを見据えた観光振興についてです。  年始からオミクロン株の感染急拡大に伴い、県の観光誘客事業やっぱ広島じゃ割は、取扱いの休止を余儀なくされ、また、国のGoToトラベル事業も、再開のめどが立たなくなりました。  観光関連業界の方は、この二年間、感染の波が到来するたびに予約とキャンセルの繰り返しに翻弄され、大変な思いをされてきています。そして、昨年の訪日客数は、一九六四年の統計開始以降、最少を記録し、また、本県の代表的な観光地であり世界遺産の一つである宮島においては、国内旅行者を含めて、過去最少となりました。コロナ直前の二〇一九年には、宮島来島者数が過去最多を記録したことを思えば、このまま低空飛行が続くと、本県の新たな産業の柱の一つとして位置づけている観光産業が衰退してしまうのではないかと懸念しているところです。  そのためにも、行政において、現状を乗り切るための緊急対策を講じるとともに、先を見据えた新たな観光戦略も必要と考えます。  そうした中、県では、観光関連産業がコロナによる急激な環境変化に対応し、安全・安心といった新たなニーズにも対応するため、ウイズコロナを想定した観光プロダクト開発等の支援を進めてきました。パワースポットを巡るミステリーツアーといった斬新なものや、和文化体験、イーバイクなどを活用した体験ツアーといったものまで、様々な提案があったと伺っています。  これら自体は、新たな生活様式に基づく、新たな観光の可能性を民間の活力を借りて見出していくという意味で、評価できる取組と考えております。  一方で、せっかく芽の出てきた取組を次につなげていかなければ、政策としては単発の限定的な効果しか期待できないのではないかとも思います。コンテンツの数を増やしていくことも大事ですが、併せて、やりっぱなしでなく、開発後もフォローし、さらに育て、磨き上げていく発想が重要と考えます。  そこで、これまでの新型コロナ後を見据えた観光施策の成否や効果を検証した上で、例えば、育てるべき観光コンテンツを見極め、次のステージに引き上げるなど、施策のブラッシュアップを図り、より高みを目指すべきと考えますが、新年度においてどのような方針の下、施策を展開するつもりか、知事にお伺いいたします。  また、現行の「観光立県推進基本計画」も最終年度を迎えることになりますが、策定時の五年前とは全く様相が異なる環境下において、次期計画の策定に向け、どういった観点から方向性を打ち出していくつもりか、併せてお伺いいたします。  質問の第四は、本県が目指すDXの展望と県民理解の促進についてです。  最近、日常生活などでもよく耳にするようになったデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXは、デジタル技術を駆使して生活を豊かにし、ビジネスを変革するものとして注目されています。  経済産業省では、二度にわたって関連のレポートを発表し、企業の事業継続にはDXが必須と位置づけ、多くの企業が未着手であるDXの推進を強力に促すとともに、総務省でも、自治体のDX推進計画を策定し、情報システムの標準化、共通化や行政手続のオンライン化などの旗を振っています。  本県でも、来年度は全四十六事業で総額五十三億円の予算を投じ、仕事・暮らし、地域社会、行政の三本柱の下、全県でのDX推進に向けアクセルを踏み込んでいくとしております。まさに全方位で総力を挙げての取組と映りますが、一方で、部局間で事業進捗や課題検証等が共有されず、担当部局や担当課にしか分からないまま事業がどんどん進められるといった危険性をはらんではいないでしょうか。  DX先進県を目指す本県としては、様々な政策分野での取組にしっかり横串を刺して全体を統括するマネジメントが欠かせないものと考えます。  建設分野では、広島デジフラ構想を分野別の構想として取りまとめ、五年間と期限を切って体系的に取組を進めるとしていますが、他の分野でもそうした構想や工程の下、県民に十分見える形で事業展開が図られているのでしょうか。  また、広島市では新たな計画の下、DXを推進していくとのことですが、こうした県内市町の取組とも軌を一にして、県全体でDXを進めていく形となっているのでしょうか。  そこで、本県が目指すDX先進県の実現に向け、これまでの各施策や分野間の連携などを検証するとともに、県庁内にとどまらず、県内市町や産業界などとも協調を図りながら、今後どう戦略的に展開し、特に来年度はどういった取組に注力していくつもりか、山田知事にお伺いいたします。  あわせて、DXが県内へ広く浸透しているとは言い難い現状を踏まえ、認知度の向上に向け、さらに一段高い取組が求められるものと考えますが、見解をお伺いいたします。  質問の第五は、ネット・ゼロカーボン社会の実現に向けた取組についてです。  昨年秋、六年ぶりに首脳級が集まる国際会議COP26が開催され、産業革命前からの気温上昇を一・五度以内に抑えることを合意文書に明記し、各国が協調してこの難題に取り組むことを確認しました。  日本では、二〇三〇年度の温室効果ガス排出量を二〇一三年度に比べ四六%削減し、二〇五〇年には実質ゼロにするカーボンニュートラルの達成を目標に掲げており、政府は脱炭素の取組を経済成長につなげるクリーンエネルギー戦略を夏までに策定する方向です。また、二〇三〇年度までに全国で少なくとも百か所の脱炭素先行地域を創出するため、自治体向けの交付金制度を創設するとされたところです。  このように、各国が温暖化対策で歩調を合わせ、国内でも国が主導している壮大なミッションに呼応して、本県においても県がリーダーシップを発揮して、官民が総力を挙げ、それぞれの連携の下、着実に取り組んでいく必要があると考えます。  県では、昨年三月に策定したばかりの「第三次広島県地球温暖化防止地域計画」を新年度に見直すようですが、前身の第二次計画でもほぼ目標を達成できていない現状を踏まえ、計画が絵に描いた餅とならないよう、県民や事業者の十分な理解と主体的な行動を促す実効性を伴う取組を進めてほしいと願っております。  そこで、本県が目指すネット・ゼロカーボン社会に向けた現状と課題をどう捉え、地球温暖化防止地域計画の改定に至った経緯と併せ、産業、運輸、民生など個別の部門における政策の方向性をどう描いているのか、知事に全体構想をお伺いいたします。  質問の第六は、スポーツの振興についてです。  スポーツは、楽しみや喜びといった充足感をはじめ、子供の心身の健全な発達、高齢者等の健康、体力の保持・増進にもつながる様々な効能があることが知られています。昨今のランニングブームなど、コロナ禍においても人々のストレスを緩和、解消し、ウエルビーイングの源にもなっております。  こうした中、本県ではスポーツ基本法に基づき、二〇一九年に二期目となる推進計画を策定し、現在、五年間の計画期間の折り返し点を過ぎたところです。  コロナ禍にあって大会の開催等もままならない時期でもありますが、計画の基本理念であるスポーツを核とした豊かな地域づくりに向け、スポーツの持つ力で社会を変えるべく、県としての様々なチャレンジに期待したいと思います。  本県には、広島東洋カープやサンフレッチェ広島をはじめ、県内に本拠地を置き、活躍しているトップスポーツチームが多く存在しております。例えば、こうしたプロの選手の活躍を身近に感じ、競技に取り組むジュニア層を増やしていくことは、本県の競技力の底上げにもつながりますし、老若男女を問わずスポーツを楽しむ人が増えれば、全国順位で下位に甘んじている県民の健康寿命の改善にも寄与するものと考えます。  コロナ禍で傷んだ社会経済の発展的回復を図り、スポーツの持つ魅力を地域の活力につなげていくためにも、大会の誘致など、スポーツを起爆剤に、スポーツツーリズムを通じたインバウンドの増加や地域の活性化につなげていくことは重要であり、そのベースとなる県全体のスポーツ施設のマネジメントを行いながら、施設整備の充実や活用促進を図っていく必要があるのではないでしょうか。  そこで、本県における競技力のさらなる向上と誰もがスポーツを楽しむ環境の充実を図るため、県内のスポーツ施設の計画的な更新や官民連携による整備の促進など、戦略的な視点に立ったハード面での一層の充実が求められるものと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  また、スポーツ施設の利用増進を図るためのソフト対策として、県内スポーツ施設の利用向上に向け、現状の課題をどう把握、分析し、今後どういった取組を行っていくつもりか、併せてお伺いいたします。  質問の第七は、サッカースタジアムを通じたにぎわいの創出についてです。  この二月に入り、サッカースタジアムが建設される中央公園広場では、本工事のつち音が響き始めました。今後、一年十か月の工事期間を経て、スタジアム本体は来年十二月に完成、二〇二四年二月からの開業を目指すとしております。  この中央公園広場の整備に当たっては、今次定例会で、県は広島市と実質同額を負担する予算案を提案しており、この予算規模が果たしてベストな解なのかどうかという点が、最も議論の余地があるところではないかと思います。  この点に関しては、今後二十年間の累計額として、六千七百六十億円余の経済波及効果が見込まれるとの試算も示されました。その積算の中でも、県内の日帰りの客単価を約七千円とし、県外の宿泊客を約三万円と設定しているところは、県民の一人として冷静に数字を見た場合、少し高めに設定しているように感じられました。  また、事業者提案により、サッカースタジアムや広場エリアへの年間来場者目標として、県の人口を三十万人も上回る三百十万人と設定されていますが、広島駅に近い好立地にあり、試合数も多いマツダスタジアムの平均的な来場者数が、コロナ前で年間二百二十万人程度であることからしても、この数字を達成するためには、官民の知恵を結集して、まさにオール広島で取り組む必要があると考えます。  この試算どおりの消費額や来場者数を実現するためには、エリアマネジメントの観点から都心部の回遊性向上のみならず、観光戦略の一環として県内外の方の県内周遊を促し、県内での滞在時間のさらなる増加を図るなど、県内全域へのにぎわい効果の広がりを生み出す仕掛けや工夫が不可欠ではないでしょうか。  例えば、鹿島アントラーズでは、試合後にどこにも立ち寄らずに帰宅してしまうサポーターが多いことから、スタジアム周辺の飲食店や道の駅などにQRコードを設置して、立ち寄ったサポーターにポイントを付与するデジタルサービスを行うなど、周遊性を高め消費拡大につなげる試みを展開しているとのことです。  そこで、夢の器として県民から大きく期待されているサッカースタジアムが、県内全体への経済波及効果を持続的に創出していくためには、広島市との連携はもとより、官民がしっかりタッグを組んで、その効果の検証を行い、日本初の町なかスタジアムとしての新鮮さを保ちつつ、魅力度を継続的に高めていく運営面での様々な努力が求められるものと考えますが、知事の御所見をお伺いします。  また、中央公園広場や市民球場跡地も含めた一帯の再開発を、県内各地の観光資源とつなげていくことで、スタジアムを核としたスポーツツーリズムを飛躍させる呼び水ともなり得ると考えますが、今後の本県の観光振興の促進にどうつなげていくつもりか、併せてお伺いします。  さらに、県内全体に効果を波及させるためには、広島市以外の県内市町や観光支援団体にも積極的にプロジェクトに関わってもらい、そのインセンティブを引き出していく取組が求められるものと考えますが、御所見をお伺いします。  質問の第八は、部活動改革についてです。  部活動は学校教育の一環として、土日も練習指導や大会の引率をするなど、担当教員の長時間勤務の要因の一つになってきました。  こうした現状を受け、国において、学校の働き方改革は喫緊の課題と位置づけ、中教審の答申などを経て、部活動を学校単位から地域単位の取組とする方向性が示され、二〇二三年度からの導入に向けたスケジュール等が提示されたところです。  部活動は、生徒の人間形成の貴重な機会や活躍の場を与え、豊かな学校生活の実現に寄与するなど、非常に教育的意義の高い活動であると考えますが、一方でブラックとも称される教員の長時間労働の解消に向け、この改革は長年の懸案であったとも言えます。  今回、国は、休日の部活動を地域の活動として位置づけ、教員でなく地域人材が担うことを基本的な方向として示しています。そしてまず、公立学校における働き方改革として、中学校を主な対象とする一方で、高等学校でも同様の考え方を基に部活動改革を進めるとしています。この改革を進めることで、地域部活動の指導者への謝礼や活動場所の確保、事故が発生した場合の責任や保険活用など、様々な課題が提起されています。中でも最も重要な課題は、地域部活動を引っ張っていく指導者など人材の確保・育成ではないかと考えます。  地域には、学生時代から競技に取り組んできた人材や、実際にクラブなどで指導している人材、顧問を務めてこられた教員のOBなど、数多くの候補者がいることと思います。しかし、そうした人材の発掘や活用を進めていこうとすると、競技の種類にもよりますが、都市部の郊外や中山間地域などでは人材を十分確保できない、地域間格差といった問題も表面化してくるのではないかと心配しています。  まずは中学校が主体ということで、市町の教育委員会などで議論が進んでいるのではないかと思いますが、そういった現状を、県はどこまで把握し、関わっていこうとしているのでしょうか。  以前の一般質問でも申し述べたように、特に学校の運動部での部活動は、競技力向上やジュニア選手の育成といった面から大きな役割を果たしており、この問題は、広域自治体である本県としても、県教育委員会が地域政策局としっかり手を携え、県内市町と共に取り組んでいくべき課題と考えます。  そこで、教員の働き方改革と部活動改革の両立に向け、休日の部活動を学校部活動から地域部活動へ段階的に移行していくとする国の方針を受けて、県としても広域的な見地から、各市町や関係団体とも連携して、地域のスポーツ指導者や総合型地域スポーツクラブなど、地域の人的資源を活用した受皿となる体制づくりや、指導者の育成などを積極的に担っていくべきと考えますが、現状や課題認識と併せて、教育長の御所見をお伺いします。  質問の第九は、教職員の配置課題についてです。  文部科学省によれば、学級担任を任されるなど正規職員と変わらない職務にありながら、不安定な雇用形態で働く非正規教員の数は、全国的にも増えているとのことです。  県教育委員会では、二〇一九年に教員採用中長期計画を策定し、できる限り正規の教員を配置することが望ましいとの考えから、定数内臨時採用の解消を最大限推進するため、小中学校では四%台前半、高等学校では一%台前半、特別支援学校では六%台前半とする欠員補充率の縮小目標を掲げています。しかしながら、昨年五月時点での欠員補充率は、中学校や高等学校、特別支援学校での計画策定時よりも上回っており、依然として改善傾向が見られず、残念な状況です。  そこで、中長期計画に基づき、定数内臨採の解消に向け、既卒者や社会人を対象とした特別選考や、県内・県外大学等での採用試験説明会の開催など、受験者の増加を図るための取組を進めていますが、これらの対策がどの程度目標達成に寄与していると認識されているのか、現状の課題分析と併せて、教育長にお伺いいたします。  また、目標年度である二〇二四年度までの折り返し時期が到来する中、新たな取組や対策も求められるものと考えますが、見解をお伺いします。  質問の第十は、乳幼児医療費の公費負担についてです。  子供の医療費の一部を助成するこの制度については、現在も市町によって差が生じており、不均衡状態が解消されておりません。  我が会派ではこれまで一般質問や委員会などの場面で再三再四にわたり、その是正に向け県が主体性を持って早期に対応すべきと主張してきました。  現在、入院については、大半が中学校卒業までとなっていますが、一部の市町は高校卒業までを対象としており、通院については、就学前から高校卒業までと、さらに市町間で差が開いている状態にあります。  こうした現状は、県内どの地域に住んでいても同一のサービスが受けられるよう、全ての子供の健やかな育ちを支える子育て支援基盤の確立に向け、県が主導的に取り組むひろしま版ネウボラをはじめ、本県の子育て分野における理念や方向性とも相違しているのではないでしょうか。  県では、これまで国への施策提案や全国知事会を通じて、国が制度設計を行い、全国一律のサービスとして提供すべきとの観点から要望を行ってきていますが、依然として実現のめどは立っていません。  また、国は、さきの社会保障と税の一体改革において、消費税の引上げ分は全て社会保障財源に充ててきており、こうした経緯から、国は対応済みとの立場なのではないのかとも勘ぐってしまいます。  一方で、静岡県では、子育て支援の一層の充実を図るため、対象年齢を引き上げてきており、各県の子育て家庭に対する政策スタンスの違いが明確になっているとも言えると思います。  そこで、県が、就学前までとしている乳幼児医療費の公費負担について、県内全ての市町が対象年齢を引き上げている現状に鑑み、子供たちの健やかな成長を図る観点と、県内のどこに住んでいても経済的負担をできる限り一律化していくため、県が主導して改善していくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いします。  また、県として、社会保障と税の一体改革以降の、この問題に対する国のスタンスをどう捉えているのか、併せてお伺いいたします。  質問の第十一は、持続可能な水産業につなげるための施策についてです。  本県水産業は、カキ養殖が七割を占め、出荷額ベースでも全国一位の座を長年キープするなど、全国的にも広島の海産物といえばカキと認知され、ブランドとして定着しています。  一方で、瀬戸内には、まだまだ全国的な知名度には至っていないカタクチイワシやシラス、タチウオなど魅力的な地魚もおり、カキに続く新たなブランドの確立に向けてギアを上げていく必要があると考えます。  その一環として、県ではガザミ、カサゴ、キジハタ、オニオコゼを重点魚種に指定し、市町や漁協と連携して、稚魚の集中放流を実施してきました。漁獲量の増加も一部確認されており、引き続き、地魚の安定供給体制の構築と、県民や観光客向けのブランド定着に向け、継続的な取組をお願いしたいと思います。  一方で、最近では、新型コロナの影響で、市場価格の下落や、不漁、原油高などが漁業経営に響いており、三重苦だとの声も聞きます。  そうした中で、最も深刻な課題は、新規漁業者の確保にあると考えています。実際、本県の海面漁業は零細な個人経営が多くを占めており、将来にわたって、安定的に漁業生産を維持するためには、毎年数十名程度しか新規に就業していない実態を大きく変えていく必要があります。  本県の漁業従事者は、過去二十年間で五割も減少しており、現在は三千名強しか従事していません。しかも六十歳以上が六割を占めるなど、高齢化も著しい状況です。このように農業や林業と比べても規模は脆弱で、新たな担い手の確保はまさに喫緊の課題です。  そこで、本県水産業を産業として持続させていくためにも、教育機関や漁協をはじめ関係団体などと連携し、若手人材を安定的に確保・育成できる体制を構築するなど、本腰を入れて取り組んでいく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。  また、カキに続く第二のブランド地魚の創出に向け、新たなブランド戦略の展開や消費拡大策のほか、集中放流対策の継続など、多角的な取組が求められるものと考えますが、併せて見解をお伺いします。  質問の第十二は、防災・減災対策についてです。  国土交通省の速報値によれば、昨年起きた土砂災害は、広島県が全国最多の百二十九件でした。そして、県内での八月中旬の総雨量は、二〇一八年の西日本豪雨と同規模であったとのことです。  局所的な雨の降り方などにもよるので二〇一八年のときと単純な比較はできませんが、実際に砂防ダムが土石流を食い止めた例や、河川の堤防からの越水による背後地の浸水を防いだ例など、これまでの復旧事業や再度災害防止対策により、被害を抑えられた箇所が、県内各地で見られました。  今後も集中豪雨などの頻発化により、全国各地で土砂災害等が多発する傾向は続くものと思われます。風化した花崗岩が広く分布し、土砂災害警戒区域数が全国で最も多い本県においては、気を緩めず、引き続きしっかりハード対策を講じる必要があります。  最近では、先に挙げた広島デジフラ構想の下、防災・減災面でも最新のデジタル技術を活用していこうとされており、こうした先進的な取組とも相まって、災害の未然防止、人命の安全確保につなげていただくようお願い申し上げます。  そこで、二〇一八年七月豪雨災害以降、本県では約四千億円の予算をかけて復旧・復興を進めてきたところですが、復旧・復興プランに掲げた、創造的復興による新たな広島県づくりの観点から見て、何がどのように強化、発展したと考えているのか、また、来年度以降、どういう方針の下、進めていくつもりか、デジタル技術などを生かした 取組の方向性と併せて、知事の御所見をお伺いします。  質問の最後は、安心・安全なまちづくりに向けた総合対策についてです。  「減らそう犯罪」県民総ぐるみ運動の推進に当たり、平成十五年に初めて策定されたアクションプランも、昨年から五期目に入りました。  この間、刑法犯認知件数は五分の一にまで減少し、昨年は戦後最少を更新しました。また、交通死亡事故も記録が残る一九四八年以来、最少を記録するなど、アクションプランに掲げる、「住む人 来る人 誰もが日本一の安全安心を実感できる広島県の実現」に向け、これまで精力的に取り組んでこられたことは高く評価したいと思います。  一方で、年間被害総額の目標を二億円以下とする特殊詐欺は、昨年の被害が五億円弱と急増し、性犯罪や凶悪犯といった一部の重要犯罪で増加傾向が見られるなど、県民の不安感を高めかねない傾向も見受けられるところです。  こうした犯罪の発生を未然に防ぎ、県民だけでなく、本県を訪れる観光客などからも安全・安心を実感してもらえるよう、地域の自主防犯組織や金融機関などとも連携し、効果的な対策を推進していく必要があると考えます。  そこで、広島県警察として、アクションプランに掲げる各種目標の達成に向け、県民生活の不安を解消し、安心感を与えるための総合対策をどう進めていくおつもりか、県警本部長に御所見をお伺いします。  特に、犯罪抑止力として期待される地域の防犯ボランティアは、十年前をピークに団体数も構成員数も減少に転じており、地域の自主防犯活動の活性化が求められますが、どう取り組んでいくおつもりか、併せてお伺いいたします。  質問は以上でありますが、一言申し述べたいと思います。  冒頭でコロナ禍における本県の厳しい情勢を述べさせていただきました。  そうした中、来月開幕いたします選抜高校野球大会では、広島商業と広陵高校が同時に出場するとの明るいニュースも飛び込んでおります。両校の甲子園での活躍にエールを送りますとともに、本県が一日も早くコロナ禍を乗り越え、次なるステージへ向けて、知事が先頭に立って未来を切り開いていただくよう念願し、私の質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
    14: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 15: ◯知事湯崎英彦君) まず、新型コロナウイルス感染症対策における施策マネジメントについてお答え申し上げます。  本県の新型コロナ対策につきましては、感染拡大を最小限に抑えながら、社会経済活動を維持し、県民の皆様が日常生活を続けられることを基本として、早く、強く、短くとの考え方の下、感染初期には、幅広い積極的疫学調査やPCR検査の集中実施、感染がさらに拡大している場合には、外出や移動の自粛などの行動制限のほか、飲食店等への休業・時短要請といった強い対策など、感染拡大抑止と早期収束を図る取組を進めているところでございます。  このような中、コロナ禍で傷んだ県民生活の修復に向けて、例えば、休業や失業などで収入が減少し、一時的に生活費が必要となった世帯に対しましては、生活福祉資金制度を活用し、令和二年三月から先月末までの累計で、約三万七千件、百十億円の経済的支援を行ってきたところでございます。  加えて、ストレスや不安を抱えやすい子育て中の方に対し、感染拡大初期の令和二年四月から、オンラインで気軽に相談や、他の親子と交流できる体制を整え、令和三年十二月までの利用者が延べ二万八千四百二人となるなど、保護者の悩みや不安の軽減につなげてまいりました。  また、感染拡大による影響を受けてきた事業者の事業継続や雇用維持をしっかりと支えていくため、雇用調整助成金等の特例措置といった国の事業や、日本政策金融公庫等による新型コロナウイルス感染症特別貸付といった融資制度と併せ、全国に先駆けて早期給付制度を創設した飲食店等に対する協力支援金や、飲食店のみならず、地域経済を支える幅広い業種の事業者への本県独自の支援策として創設した頑張る中小事業者月次支援金、離職者の早期就職を目的とした合同企業面接会の開催に取り組んできております。  こうした中、本県経済につきましては、先月からの感染の急拡大による影響のため、飲食業や宿泊業などにおいて、厳しい状況となっているものの、民間調査会社による倒産状況の調査では、令和三年十二月までの倒産件数が前年と比較して、約四三%減少し、本県の完全失業率の状況は二・五%前後と、コロナ前と同様の水準に抑えられており、国を含めた、本県における事業継続や雇用維持に向けた様々な取組は一定の効果が出ているものと認識しており、引き続き、必要な対策について、適時適切に取り組んでまいります。  また、特に大きな影響を受けている飲食業や宿泊業などにつきましては、しっかりと下支えをする必要があるため、今後、全国的に感染状況が低い水準となった場合には、宿泊事業者や旅行業者等を支援するための観光誘客促進事業や飲食事業者等を支援するためのGoToイートキャンペーンなどに取り組むこととし、その体制を整えているところでございます。  加えて、厳しい環境下から立ち上がろうとする県内事業者の挑戦を後押しするため、コロナ禍にあっても前向きな研究開発を行う県内ものづくり企業への支援、新たなビジネスモデルの構築や業態転換に取り組む中小企業への支援、企業のAI、IoT、ロボットの導入など、デジタル技術を活用した生産性の向上に向けた設備投資の後押しや、スマート農林水産業の推進など、アフターコロナを見据えた取組への支援を行っているところでございます。  さらに、今後につきましては、ひろしまサンドボックスをさらに一段と進め、これまでに開発・実証された商品やサービスについて、県内への実装を支援する取組のほか、デジタル人材の育成等を支援するため、いわゆるリスキリングを産業界全体で推進する取組や、本県から世界に羽ばたき大きく成長することを志す、ユニコーンと呼ばれるような、有望なスタートアップ企業の成長支援などについて、来年度から新たに取り組むこととしております。  こうした各分野における新型コロナへの対応につきましては、その時々の様々な変化に対して、時期を逃さず、スピード感を持って対応することが重要と考えており、県としての対策の実施が必要と判断したものにつきましては、その対策に遅れが生じないように、その時点でのできる限りの情報を基に、事業内容や費用対効果の検証を行い、その妥当性を判断し、必要な改善を加えた上で、施策として組み立てているところでございます。  三年目を迎える新型コロナ対策につきましては、これまでと同様に、PDCAサイクルを回し、必要な改善を行いながら、「県政運営の基本方針二〇二二」でお示ししたとおり、引き続き、感染拡大防止対策、事業継続や雇用維持を支える取組などの足元の対応に注力するとともに、アフターコロナを見据えた社会と経済の発展的回復に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、ネット・ゼロカーボン社会の実現に向けた取組についてでございます。  ネット・ゼロカーボン社会の実現のためには、省エネルギー対策の推進や、再生可能エネルギーの導入促進など、従来からの取組の強化に加え、二酸化炭素を資源として捉え再利用する、広島型カーボンサイクルの構築や、産業活動や幅広い分野での革新的なイノベーションの創出、県民一人一人の意識の向上とライフスタイルの転換など、様々な課題を克服していく必要があると認識しております。  このため、昨年三月、ネット・ゼロカーボン宣言を行うとともに、産業、運輸、民生などの部門ごとに削減目標を設定し、広島型カーボンサイクルの構築など、新たな対策を盛り込んだ「第三次広島県地球温暖化防止地域計画」を策定し、課題解決に向けた取組を開始したところでございます。  こうした中、昨年四月に開催された気候サミットを契機に、世界各国において温室効果ガス排出量の削減目標の大幅な引上げが表明されるなど、あらゆる分野における環境対応の成否が企業や国家の競争力に直結する大競争時代の様相を呈しております。  国におきましては、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、二〇三〇年度に温室効果ガスを四六%削減する新たな目標が示され、その実現を図るため、全国で百か所の脱炭素先行地域の創出や革新的技術の研究開発から社会実装まで一貫した支援を実施するグリーンイノベーション基金の創設など、あらゆる施策を総動員して、地球温暖化対策を推進していくこととしており、カーボンニュートラルに向けた新たなフェーズに突入したところでございます。  本県といたしましても国内外の動きに呼応し、温暖化対策を加速させることが産業構造や社会経済の変革をもたらす大きな成長・発展のチャンスであり、果敢にチャレンジしていく必要があると考えており、計画を改定することとしたものでございます。  改定に当たりましては、産業、運輸、民生などのターゲットを明らかにした上で、現計画に掲げる五つの施策体系を基本に、市町や事業者と連携・協力した、地域の特性を踏まえた再生可能エネルギーの導入促進や自力での脱炭素化への対応が困難な家庭や中小企業等を対象とした省エネルギー対策の促進、また、カーボンリサイクル技術の社会実装に向けた研究・実証の支援や産学官のマッチング支援、SDGsやカーボンニュートラルをテーマとした環境意識の醸成や環境教育の推進など、これまで以上に取組を充実強化してまいりたいと考えております。  今後とも、県民、事業者の皆様など多様な主体との一層の連携・協働の下、ネット・ゼロカーボン社会の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、スポーツの振興についてでございます。  本県では「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」におきまして、誰もがスポーツに親しむ環境の充実及びスポーツ競技力の向上を取組の方向性として掲げており、する、見る、支えるといった多様な形で県民とスポーツをつなぐことやアスリートを発掘、育成することの基盤となるスポーツ施設の充実は重要であると認識しております。  そのため、全県的な視野に立ち、利用者の将来的ニーズや、市町や民間施設との役割分担を踏まえながら、県立スポーツ施設の計画的な更新、改修に努めることとしております。  具体的には、今年度、県総合グランド及びびんご運動公園における大規模大会や公認競技会の開催に必要な陸上第二種競技場認定のための工事や、みよし公園のアリーナの耐震化工事などを実施しており、来年度は、県総合グランド野球場におけるフェンス改修などの安全対策や、備後地域で最大規模のびんご運動公園テニスコートにおける人工芝改修など利便性の向上に、計画的に取り組んでまいります。  スポーツ施設の利用向上に向けましては、こうしたハード面に加えて、ソフト面の取組が必要であると認識しており、利用者のアンケートなどで要望の多い、施設利用時のキャッシュレス化やオンラインでの予約システムの導入、プロチーム、トップチームの試合開催や大規模大会の誘致、アーバンスポーツやパラスポーツの体験会や教室の実施など、利便性の向上に資する取組や魅力的なプログラムを一層充実させてまいります。  今後とも、スポーツを核とした豊かな地域づくりに向け、拠点的な役割を担っている県立スポーツ施設のハード・ソフト両面の充実を図り、県民のスポーツ活動に幅広く活用されるよう取り組んでまいります。  次に、サッカースタジアムを通じたにぎわいの創出についてお答え申し上げます。  サッカースタジアムと広場エリアの整備につきましては、これまでに、事業者選定が終わり、本事業の全体像が示されたところでございますが、スタジアムと広場エリアが一体となって整備される特徴を生かし、様々なコンテンツを配置することで、サッカーファンだけでなく多様な世代が楽しめるスタジアムパークになるものと考えております。  このスタジアムと広場エリアの効果を持続的に創出するためには、施設・機能の魅力を維持、向上し続けるための拡張性、可変性や、関係施設等との連携が重要であると考え、事業者選定における評価の視点にも加えたところでございます。  これを受けて、事業者から、デジタル技術を活用して、人流データを把握分析し、集客につなげる施設運営の改善に役立てるなどの提案があったほか、中央公園全体の魅力向上に向けて、今後、マネジメントを担う協議体も設置される予定となっており、県といたしましても、こうした動きにしっかりと関与し、魅力度を継続的に高めていけるよう、広島市と連携して取り組んでまいります。  また、このサッカースタジアムと広場エリアは、町なかに立地し、太田川の水辺空間や、広島城とも隣接していることから、県内有数の集客拠点としてのポテンシャルを有しているものと認識しております。  こうした好立地を最大限生かし、周辺の施設と一体となって、かつ、紙屋町・八丁堀エリアとも相乗効果を発揮させつつ、都心の回遊性を向上させ、県内はもとより県外からも幅広い集客を図るとともに、県内各地への周遊につなげてまいりたいと考えております。  県内全域への効果の波及に当たりましては、例えば、広場エリアでは、事業者提案において、大きな広場を有する強みを最大限生かし、二十三市町の食、自然、文化を体験できるひろしまカルチャーフェスティバルといったイベントや、観光資源や県産品など、県内二十三市町の魅力をアピールする仕掛けを用意し、県産品の魅力の発信や、県内各地への周遊につなげるなどの取組が提案されているところでございます。  こうした取組を実現するため、広場エリアの運営を担う事業者におきましては、交通事業者や観光支援団体とも連携していくとされており、県といたしましても、市町や経済団体等とも連携し、官民を挙げて、しっかりと取組を進めてまいりたいと考えております。  次に、防災・減災対策についてでございます。  「平成三十年七月豪雨災害からの復旧・復興プラン」におきましては、創造的復興による新たな広島県づくりを目指し、将来に向けた強靱なインフラの創生などの柱を掲げ、公共土木施設の強靱化など被災地の復旧・復興に全力で取り組むとともに、将来にわたって災害に強く安全・安心に暮らせるまちづくりに取り組んでまいりました。  戦後最大級の被害がもたらされた被災地の復旧・復興に当たりましては、被災要因を十分に分析した上で復旧工法を選定するとともに、再度災害防止の観点から同規模の降雨による洪水や土石流の発生に対して対応できるよう、被災箇所周辺も含め一体的に整備を行う改良復旧等を積極的に活用することとし、令和五年度中の完了を目指して河川改良復旧事業や砂防激甚災害対策特別緊急事業などの再度災害防止対策を推進しているところでございます。  また、このように災害からの復旧・復興に取り組むことに加え、「社会資本未来プラン」及び事業別整備計画に基づき、防災施設の整備や河川内の堆積土等の計画的な除去など、防災・減災対策に重点的に取り組んでいるところであり、令和三年七月・八月豪雨災害におきましては、砂防ダムによる家屋の保全や、市街地の浸水被害の軽減が図られるなど、ハード対策による一定の効果が発現していると考えております。  さらに、デジタル技術の活用につきましては、ドローンによる被災箇所の把握や、航空写真や三次元データなどの活用により現地調査や測量等を効率化する仕組みの構築、砂防ダムの工事等におけるICT活用工事の実施などに取り組んでいるところであり、来年度以降も、これらの取組を拡大するなど調査、設計、施工のあらゆる段階において、デジタル技術を最大限に活用した、効果的、効率的なインフラマネジメントを積極的に推進してまいります。  引き続き、令和四年度以降も被災地の早期復旧・復興に全力で取り組むとともに、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」の目指す姿の実現に向けて、防災施設の整備等を多くの箇所で進めていく必要があることから、国の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策等を積極的に活用するなど、必要な事業量の確保に努めながら防災・減災対策を着実に推進し、将来にわたって安全・安心に暮らすことができる県土の強靱化に取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 16: ◯議長中本隆志君) 副知事山田 仁君。         【副知事山田 仁君登壇】 17: ◯副知事山田 仁君) 本県が目指すDXの展望と県民理解の促進についてお答えいたします。  全県的にDXを推進し、より高い成果につなげていくためには、各施策の進捗や課題を部局間で共有しながら素早くPDCAを回していくとともに、産学金官民が協調・協働し、分野の垣根を越えて進めていくことが重要であると認識しております。  また、市町との関係につきましても、県がリーダーシップを発揮しながら取り組んでいく必要があると考えており、各市町の取組段階や要望に応じた支援を行うとともに、人材の確保・育成やデータ利活用など地域共通の課題については、県、市町で連携して進めているところでございます。  今後は、こうした観点も踏まえながら、本県のこれまでのDXの取組の成果と課題を総括し、今後、必要となる施策の立案につなげていくとともに、本県がDXの推進によって、当面の目指す姿とその実現に向けた道筋を明確にお示しするプラン、仮称ではございますが、「広島県DX加速プラン」を令和四年九月頃までに策定してまいりたいと考えております。  プランには、各分野でのDXに加え、人材の確保・育成、データ利活用の推進など、DXを進める上で基盤となる取組を盛り込み、それぞれに目標や成果指標を設定して、本県DXの進捗を見える化しながら取り組んでまいります。  また、来年度におきましては、県民が利便性を実感できる取組、デジタル技術の実装を支援する取組、コロナ禍への対応を支援する取組といった視点から、例えば、時間や場所にかかわらず、いつでもどこでも簡単に、スマートフォンなどを使って、申請から手数料などの支払いまで行政の手続をオンラインで行える環境整備、ひろしまサンドボックスで開発・実証したサービスや商品の実装の支援、コロナ禍においても、必要な医療を受けられるよう、オンライン診療や服薬指導を行える体制の構築や、事業継続や経営基盤の強化に向けてデジタル化に取り組む事業者への支援などに取り組むこととしております。  あわせて、DXの認知度向上に向けましては、これまで、研修や事例研究会、講演、広報活動などを通じて、DXの本質や、DXに取り組む意義などを市町や事業者、県民の皆様にお伝えしてまいりましたが、これらの取組を通じて、より具体的な事例が知りたい、あるいは、経営層の意識醸成が必要であるなどの様々な要望や意見が寄せられております。  こうした要望を踏まえ、今月上旬には、DXを実践して成果を上げている経営者を講師にお招きして、経営者層向けのセミナーを開催し、行政や企業等から、多くの参加をいただいたところでございます。  今後とも、より県民や事業者のニーズに対応した事業を実施していくとともに、身近でDXを実践している県民や事業者の取組を情報発信していくことにより、DXを自分事に感じていただくことで、県内におけるDXの認知度の一層の向上を図ってまいります。 18: ◯議長中本隆志君) 商工労働局長川口一成君。         【商工労働局長川口一成君登壇】 19: ◯商工労働局長川口一成君) まず、現状の雇用情勢を踏まえた効果的な施策展開についてお答えいたします。  本県を取り巻く雇用情勢につきましては、新型コロナの影響により、令和二年に求人数が一時大幅に減少し、その後回復傾向に転じたものの、コロナ前の水準には戻っておらず、また、同時期に急増した求職者数は、緩やかな減少傾向で推移しているところでございます。  また、日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の高炉休止など、産業構造の変化に伴う事業縮小による大規模離職も発生しており、経済情勢の変化が雇用に及ぼす影響に一層注視していく必要があると認識しております。  このため、令和三年度におきましては、県内事業者の雇用維持と離職者等に対する早期就職支援に重点を置き、取り組んでまいりましたが、新型コロナの影響が長引く中、日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区関係者を含む離職者をはじめ、就職氷河期世代や生活困窮世帯などの求職者に寄り添った就職支援が求められております。  とりわけ、中高年層の求職者につきましては、希望する勤務条件と企業側の求人内容のアンマッチなどによりまして、求職活動の長期化が想定されるため、円滑な就職に向けて、より一層きめ細かい対応が重要になってくるものと考えております。  こうしたことから、来年度におきましても、引き続き、働きたい人全力応援ステーションで求職者に対する伴走型の就業支援を実施することとし、国や市町等と連携して、不安定な就労をしている就職氷河期世代の正規雇用化に向けた支援や日本製鉄関係者に対する個別就職支援を行うとともに、地元市町の生活困窮相談窓口と連携した出張相談会の開催などに取り組んでまいります。  特に課題であると認識しております中高年層に対する支援につきましては、年齢を問わず採用意欲のある企業を発掘し、求職者一人一人の適性やニーズに対応した求人を開拓するとともに、専門のキャリアカウンセラーが、求職者の希望に対し、幅広い職種や業種から選択が可能となるよう、給与条件の見直しや未経験職種に対応するための職業訓練へ誘導を働きかけることで、より丁寧な、きめ細かい就職支援を行ってまいります。  今後とも、雇用情勢の動向を的確に把握しながら、国や市町など関係機関と連携して、求職者に寄り添う効果的な雇用施策を展開し、セーフティーネットを構築してまいりたいと考えております。  次に、アフターコロナを見据えた観光振興についてお答えいたします。  新型コロナ拡大以降の本県の観光振興におきましては、これまで、近距離、少人数、屋外といった新たな観光ニーズ等を踏まえた観光プロダクトの開発、自動チェックインシステムの導入や混雑状況の可視化といったデジタル技術等を活用した受入れ環境の整備、厳しい経営環境にある宿泊事業者や旅行事業者が行う旅行割引プランの造成を支援するための観光誘客促進事業などに取り組んできたところでございます。  とりわけ、観光プロダクト開発におきましては、今年度から新たに、観光以外の異業種を含む幅広い事業者によるネットワークを強化するためのプラットフォームを形成し、三百を超える事業者に参画いただき、専門家のアドバイスも得ながらプロダクトの企画・開発を進めているところであり、江の川の大自然をラフティングやイーバイクで満喫するアドベンチャー体験、世界的なデニム産地である備後地域で職人から生産工程を学び製作する本格的なデニム作りの体験など、県内各地域における新たな観光プロダクトの造成につながってきたものと認識しております。  新年度におきましては、新型コロナの感染状況を踏まえながら、観光需要の早期回復を図るための誘客促進を図りますとともに、アフターコロナを見据えた本県のこれまでの取組を発展、加速していくための観光施策を展開してまいります。  具体的には、新たに、スマートフォンの位置情報等を活用した、観光客の年代や性別等の属性、行動パターン、趣向などの詳細な情報の把握・分析や、観光客等からの評価などを踏まえた観光プロダクトのさらなるブラッシュアップ、各ターゲットに応じた様々な観光プロダクトの効果的な情報発信などに取り組んでまいります。  また、次期「ひろしま観光立県推進基本計画」につきましては、来年度中に策定することとしておりまして、昨年十月から広島県観光立県推進会議を開催し、次期計画策定に向けた進め方等について議論するなど、策定の準備に着手したところでございます。  今後、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」やアクションプランに掲げる目指す姿の実現に向け、新型コロナの拡大に伴う、インバウンドの需要の激減や観光関連事業者等の厳しい経営状況、観光ニーズの変化といったこれまでと大きく変化した観光を取り巻く環境等も踏まえた上で、広島県観光立県推進会議を通じて、県民や事業者等の意見もしっかりと反映させながら策定作業を進めてまいりたいと考えております。 20: ◯議長中本隆志君) 健康福祉局長木下栄作君。         【健康福祉局長木下栄作君登壇】 21: ◯健康福祉局長木下栄作君) 乳幼児医療費の公費負担についてお答えいたします。  乳幼児医療費公費負担制度は、子供たちの健やかな成長と未来を応援する子供・子育て支援施策の一つであり、本県では、早期受診による乳幼児の健康保持と、子育て家庭の経済的負担の軽減という二つの観点から、病気にかかりやすく受診頻度の高い、就学前までを対象に実施しております。  また、市町におきましては、子育てや定住促進など市町独自の施策の一環として、地域の実情に応じ、対象年齢を設定し、実施しているものと認識しております。  一方で、議員御指摘のとおり、住む場所によって、受けられる医療サービスに差が生じることは適切でないと考えていることから、国に対し、全国一律の医療費助成制度の創設を要望しているところでございます。  昨年、国に行った要望に対して、引き続き様々な観点から検討したいとのコメントがあったことから、国においても、検討課題として認識しているものと捉えております。  今後も、全国一律の医療費助成制度の創設について、全国知事会等を通じて国に働きかけるとともに、「ひろしま子供の未来応援プラン」に基づき、全ての子供たちが、健やかに夢を育むことのできる社会の実現を目指してまいります。 22: ◯議長中本隆志君) 農林水産局長佐伯安史君。         【農林水産局長佐伯安史君登壇】 23: ◯農林水産局長(佐伯安史君) 持続可能な水産業につなげるための施策についてお答えいたします。  漁業者の高齢化や減少が進む中、持続可能な水産業を確立するためには、新規漁業就業者を確保し、早期にその経営を安定させ、将来の担い手として育成する必要があると認識しております。  このため、広島県漁業協同組合連合会などの漁業団体を構成員とする広島県新規漁業就業者支援協議会において就業相談から就業に必要な基礎技術の研修に加え、就業後の経営ステップアップに向けた研修を実施しているところでございます。  今後は、勘と経験に頼る漁業現場に、ICT技術を活用して操業技術や出荷販売の効率化などを図るスマート水産業の導入を進めることにより、本県水産業が魅力ある職業であることを全国での就業フェアなどで発信し、新規就業者の確保に努めてまいりたいと考えております。  一方、本県漁業を取り巻く経営環境は、水産資源の減少に起因する漁獲高の低下に加えて、単一の魚種では供給量が不安定でブランド力が低いことから、有利販売につながっていないなど厳しい面がございます。  このため、水産資源の減少に対して、種苗放流や、稚魚のすみかとしての藻場、干潟の造成に加えて、新たな取組である海底耕うんなどの環境対策につきましても、効果を検証しながら取り組んでまいります。  また、ブランド力の強化につきましては、四季折々に、多彩な魚種を漁獲できる強みを生かし、県民の皆様をはじめ、本県を訪れる観光客などへ地魚の魅力を伝え、消費拡大につなげるため、瀬戸内地魚のブランド化推進事業を来年度から新たに開始したいと考えております。  具体的には、飲食店におけるコース料理などの提供、地魚の魅力を生かしたツアー等の企画、顧客視点に立った効果的な情報発信などを漁業者や市場、飲食関係者等と連携しながら進めてまいります。  こうした水産資源の増大から地魚のブランド化までの取組を総合的に進めることで、漁業者の所得向上を図り、持続可能な魅力ある広島の水産業につなげてまいりたいと考えております。 24: ◯議長中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 25: ◯教育長(平川理恵君) 二点についてお答えいたします。  まず、部活動改革についてでございます。複数部局にまたがる御質問でございますが、代表して私がお答えいたします。  国におきましては、生徒にとって望ましいスポーツ環境の構築や教員の働き方改革へ向けた部活動改革として、ガイドラインを策定するとともに、休日における部活動を段階的に地域へ移行する方針を示され、現在、その具体的な方策について検討が進められております。  教育委員会におきましても、国の地域運動部活動推進事業を活用して、拠点中学校を設定の上、地域移行に向け、部活動の受皿の整備や、指導者となる地域人材の確保策等について、実践研究を行っているところでございます。  また、地域政策局におきましては、将来的に、運動部活動の受皿の一つとして想定される総合型地域スポーツクラブについて、今年度、県スポーツ協会が、国からの委託を受け、地域スポーツ団体関係者による連絡会議を設置し、地域課題解決に向けた取組として、学校部活動との連携についても議論しているところでございます。  この連絡会議での議論においては、運動部活動を移行する課題として、受皿となる団体の適切な規模や地域人材の確保策、保護者の理解を得られる費用負担の在り方、暴力的指導等の不適切な指導の具体的防止策、事故発生時の緊急時対応に関する体制の構築などが挙げられているところでございます。  今後とも、国の動向を踏まえつつ、こうした課題の整理を進め、生徒にとっても望ましいスポーツ環境の整備と教員の働き方改革につながるよう、部活動の段階的な地域移行に向け、市町や関係団体等と連携を図りながら、検討を進めてまいります。  次に、教職員の配置課題についてでございます。  教員の中長期採用計画につきましては、定数内臨採の段階的縮小を目指して、正規教員を確保するため、県外での採用試験説明会の開催や、他県の現職教員や社会人を対象とした特別選考などに取り組んできたところでございます。
     この間の受験倍率が、全国的な低下傾向にある中、本県では、今年度は二・七倍と、計画策定時の二・五倍を維持しており、取組の効果があったものと考えております。  一方で、欠員補充率につきましては、本年度は、小学校と高等学校では、目標に向けて順調に縮小しているものの、中学校と特別支援学校では、拡大しております。拡大の要因といたしましては、中学校における特別支援学級数や、特別支援学校における学級数の増加に伴い必要人員が増えたこと、加えて、中学校教員の受験者数は、民間の採用状況に左右されやすいことなどから、特定の教科等では十分な教員の確保ができていないといったこともございます。  このため、さらなる受験者数の拡大に向けて、今年度から新たに、職員が出前講義として、県内外の十一大学に出向き、教員志望の学生を対象に、授業づくりや教師の仕事の魅力などを紹介する中で、本県が進める学びの変革への参加を呼びかけているところでございます。  また、採用試験説明会につきましても、特定の教科等の免許を取得できる大学を中心に、昨年の二十六大学から四十三大学に増やして実施したところでございます。  教育委員会といたしましては、引き続きこうした取組を進め、計画の最終年度である令和六年度の目標達成に向けて、必要な正規職員の確保に努め、定数内臨採の段階的縮小を図ってまいります。 26: ◯議長中本隆志君) 警察本部長森内 彰君。         【警察本部長森内 彰君登壇】 27: ◯警察本部長(森内 彰君) 安心・安全なまちづくりに向けた総合対策についてお答えいたします。  県内の犯罪情勢につきましては、議員からも御指摘がございましたが、刑法犯認知件数が継続して減少している一方で、昨年は高齢者を中心に特殊詐欺が急増するなど、厳しい状況にあるものと認識しております。  こうした犯罪情勢に的確に対応していくため、県警察では第五期アクションプランで掲げる安全・安心なまちづくり及び安全・安心をもたらす警察活動との基本方向を踏まえながら、運動目標の達成に向けて、各種取組を推進しているところでございます。  特に、安全・安心なまちづくりにつきましては、昨年十二月の「減らそう犯罪」ひろしま安全なまちづくり推進条例の一部改正を踏まえ、令和四年中に新たな防犯指針を定めることとしており、子供や高齢者、女性をはじめとする防犯上の配慮を要する方々の安全確保と、インターネットを利用した犯罪の被害防止のほか、特殊詐欺被害の防止等に関して、県民や事業者の皆様が自ら行う安全確保や、地域の安全確保に向けた具体的な方策をお示しすることができるよう検討しております。  今後、策定いたしました防犯指針について、さらに具体的な取組事例を示していくなど、啓発活動等を効果的に推進していくことにより、県民や事業者の皆様などの防犯意識が一層高められるとともに、地域における防犯活動の活性化が図られ、県民生活の安全の実現につながっていくものと考えております。  次に、防犯ボランティアの活性化についてお答えいたします。  県内の防犯ボランティアは、昨年末で六百五十二団体、三万四千八百五十六人であり、団体数、構成員数ともピーク時から大きく減少しておりますが、この要因といたしましては、ボランティアの高齢化、後継者不足などがございます。  県警察といたしましては、持続可能な自主防犯活動は、地域ぐるみで犯罪抑止力を高めるために重要なものと認識しており、若い世代を中心とした防犯ボランティアへの参加を促すなどしているところでございます。  また、ボランティア活動の活性化には、地域の犯罪発生状況を速やかに伝えるなど、効果的な情報発信が不可欠と考えております。  このため、県警察では、これまでの各種の広報媒体に加え、本年二月一日から運用を開始した広島県警察安全・安心アプリ「オトモポリス」を積極的に活用していくこととしております。このオトモポリスでは、タイムリーに利用者のスマートフォンに情報を届けられることから、防犯ボランティアの方にも、不審者情報を受け、子供に対する注意喚起や見守り活動を行っていただく、特殊詐欺の発生情報を受け、ATM周辺に目を向けていただき、高齢者等の被害防止に努めていただくなど、防犯活動に活用してもらえるよう図ってまいります。  県警察といたしましては、引き続き、防犯ボランティアの拡充と活性化を図ることをはじめ、安全・安心なまちづくりに向けた各種の施策を積極的に進めることにより、県民の皆様の安全の確保と安心感の醸成に努めてまいります。 28: ◯議長中本隆志君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時二十六分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...